温度センサを利用した排便検知手法を開発

介護支援機器に新たな道

 寝たきりの高齢者を抱える家庭では,負担軽減を図る介護支援機器は切実な要望です。
 介護が必要な高齢者にとっては,排便後の処置の遅れは不快感を伴い,特に下痢便の場合は皮膚障害を起こす原因となります。しかし従来,排便をより早く検知する有効な手段がありませんでした。
 工業試験場では,においセンサによる排便検知について研究してきました。さらに検知精度の向上と簡便さや低コスト化を図るため,新たに温度に着目し,金沢大学の真田教授,(株)センサ(金沢市)と共同で温度センサを利用した排便検知手法を開発しました。この手法は,放屁,排尿,排便の各熱容量の違いを,おむつ内に設置した温度センサで認識するものです。排便時は左図(A)のように排便後数分で温度上昇後,定温状態になり,排尿時は同図(B)のように温度上昇後,降下します。この違いを検知するシステムとして実用化に向け改良中です。(特許出願中)
排便探知例、排尿探知例

担 当 :機械電子部 筒口善央

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