|
1.新しいデザイン支援の在り方 | ||
デザインは,生活用品や家電製品,自動車など,大企業を中心に重要な開発手法として発展してきましたが,近年ではその開発手法をもっと様々な分野に応用できないか期待が高まっています。 こうしたことから,6月23日(土)から7月24日(火)まで,ドイツのシュツットガルトデザインセンターとデンマークデザインセンターを訪問し,最新のデザイン支援の在り方について調査してきましたので,報告します。 |
||
2.デザインは大企業のものだけではない | ||
行政のデザイン支援策は,洋の東西を問わずグッドデザインの選定普及など大企業のデザイン活動を評価することが中心でした。
この点も大切ですが,ドイツもデンマークも,これからの国や州の経済施策を考えると,90%を越す中小企業のデザイン力の高度化が必要だという認識で一致していました。 しかし,中小企業の多くは,技術開発とコストダウンで凌ぎを削っていますから,経営者の多くはデザインを経営の重要要素とはあまり考えていないように思えます。 訪問先のシュツットガルトデザインセンターでは,商工会議所とタイアップしてデザイン導入のための相談事業を開始していました。
|
||
この事業は,商工会議所がこれまでデザインに無縁だった企業を集め,シュツットガルトデザインセンターが,デザインで企業がどのように成功したかを説明し,企業がデザイナーに仕事を頼む場合の手ほどきを無料でアドバイスするものです。
デンマークデザインセンターでは,企業のデザイン導入に際して,上限を約100万円として開発費の50%を補助,もしくは企業がデザイナーを雇うことになった場合は約16万5千円の月給を最大6ヵ月まで補償する事業を5年前からスタートさせていました。 これまで約300社がこの補助を受けて成功を重ね,企業が自らデザインセンターを訪ねてくる仕組みを作り好評を得ていました。 |
||
3.中小企業のためのデザイン導入手法の構築 | ||
このような施策と併せて,特にドイツのデザイナーたちは,中小企業と仕事をする場合,どのように相互理解を保ちながら仕事を進めていくか,いかに無理なくデザイン料を払ってもらうかということを,きちんと説明できるためのデザイン導入手法の構築作業に着手したところでした。
今回の入手した内容は,石川の産業とデザインの高度化に十分に活用が可能と考えられ,今後も連絡を密に,情報を得ていきたいと思います。
|
|
|
|
|
|