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異種金属材料の溶接加工と評価
嶺蔭士朗,西村芳典,多加充彦,廣崎憲一
異種金属材料の溶接を行うには,あらかじめ溶接継手の性能や特性を知っておく必要がある。ここでは,セルフシールドアーク溶接法により,普通鋼とステンレス鋼の突合せ溶接したときの溶接熱が,機械的特性(引張曲げ強度・硬さ)や金属組織に及ぼす影響について調査し,以下のことを得た。
(l)初層時の溶込み不良や最終ビードにおける重ね部分の融合不良などを少なくする条件として,初層時の溶接電流l50A,最終層ではl30Aが適切であった。
(2)溶接部の微小欠陥は,引張強度より曲げ強度に影饗を及ぼす
(3)溶接金属の組織は,入熱量に大きく依存し250Aになると溶接境界部近傍の結晶が粗大化しオーステナイト地に20-35%程度のフヱライトが存在した組織となる。
キーワード:異種金属材、セルフシールドアーク溶接、ステンレス鋼、突合せ溶接継手
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