平成5年度研究報告  VOL.43(1/2)

コーティング..イオン注入による工具の高機能化

舟田義則 粟津薫 笠森正人

 工具材料表面へ硬質で密着性の高いカーボン膜創技術を開発するために、コーチィング.イオン注入複合装置を開発し、カーボン蒸着とイオン注入を同時に行う方法により工具材料上のカーボン膜の創製を行った。創製したカーボン膜の硬さは、ヌープ硬さ及び超微小硬度計による硬さ測定で、密着製はスクラッチ試験により評価した。さらにラマンスペクトルの測定により膜の構造解析を行った。ラマンスペクトルの解析から、イオン照射によりアモルフアス的なカーボン膜がえられ、アモルヒュアス生成量へのイオン照射の影響が認められた。これらの試験結果から、超硬基板上では、超硬度(HK4000以上)、高密着製(70N以上)のカーボン膜を創製することが可能になった。
キーワード イオン注入、工具材料、DLC,ラマンスペクトル、スクラッチ試験、硬さ試験、押し込み特性




シールドルーム利用による雑音障害防止技術の開発

-電子機器の筺体スリット孔が電磁シールド効果に及ぼす影響-

吉村慶之 中野幸一 漢野救泰

 電子機器の放熱のためにには、筺体(ケース)にスリット孔を開ける必要がある。しかし、このスリット孔を開けることにより、機器から放射される電磁ノイズ量は増大し、他の装置に悪影響を与える場合がある。本研究では、スリット形状を変化させた場合の筺体のシールド効果を、測定実験により求めた。その結果、以下のことが分かった。1) 電磁ノイズの伝界の方向と、スリット方向を一致させることにより、シールド効果が向上した。2) スリットの開口面積を一定にする場合、スリットを分割する方が、シールド効果は良くなった。3)電気伝導度の良い筺体材料ほど、シールド効果は良かった。
キーワード:シールド効果、スリット、電磁障害




身体寸法データを利用した製品設計支援システムの開発

高橋哲郎 志甫雅人 松山治彰

 社会が成熟し、さらに高齢化社会えお迎えようとしている現在、安全で使いやすい製品を求める社会的ニーズはますます顕著化している。このような中で、製品の利用者である人間の特製を十分に考慮した製品設計手法の確率が重要な課題であると考えられる。そこで本研究では、1)製品の設計プロセスで必要となる人間工学データを分析し、2)そのデータに基づく人体形状モデル(CADマネキン)を利用した製品設計支援システムの開発を行い、3)具体的な製品設計への応用をこころみた。
キーワード:高齢化社会、身体寸法データ、人体形状モデル、CADマネキン、製品設計支援システム



清酒用酵母K-901とブドウ酒用酵母OC-2との融合酵母による試醸

松田章 道畠俊英 佐渡康夫 松井圭三 竹下和美

 細胞電気融合法により、清酒用酵母(K-901)とブドウ酒用酵母(OC-2)との細胞融合を行い、融合株によるブドウ果汁および精白米を用いた小仕込試験を行って以下の知見を得た。 1)ブドウ果汁を用いて発酵を行った場合、イソプロピルアルコールおよび酢酸イソアミルの生成が親株より高く、アルコール生成能にも優れた融合株(F-8)を得た。 2)精白米を用いた清酒試醸造の場合、酢酸イソアミル、イソアミルアルコールの比が親株より少なく、吟醸香の強い融合株(Fー2)を得た。 3)清酒の有機酸組成で、クエン酸、ピルビン酸、リンゴ酸の生成が親株より少なく、乳酸生成の多い特徴を有する融合株(Fー8、Fー9)を得た。
キーワード:清酒用酵母、ブドウ酒用酵母、プロトプラスト電気融合法


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