平成3年度研究報告 VOL.41(2/2)


金属の表面加工及ぴ塗装による意匠研究

志甫雅人・高橋哲郎・松山治彰・埼川浩三、水野旺

 本研究では,金属表面をもつ工業製品を対象に,金属の表面加工(具体的にはエッチング加工)と漆塗装を組み合せることにより、質の高い、また新しい質感の表面仕上げの製品開発を目指した。内容としては,最初に金属の表面加工と漆塗装との組み合せによる表面仕上げのサンプルを作成し,その意匠効果について視覚的に検討し評価を行った。次に、そのサンプルに基づいて,今後需要が予測されるインテリア用品や住宅及ぴ公共空間設備の製品分野で儒要調査を行い,製品開発の可能性について検討した。
最終的には,金庫室の設備機器を生産する県内機器メーカーと金庫部品へ利用した場合の試作及ぴ検討を行い,具体的な製品への展開を図った。
キーワード:テザイン、表面加工,漆塗装



彩漆を用いたオリジナル製品の開発

水野旺・高橘哲郎・志甫雅人、坂本誠・市川太刀雄・埼川浩三

 本研究は,平成2年度、3年度石川トライラルセンターの開発支援事業として実施したものである。
当場では,耐光性と発色性に優れた彩漆の品質向上に関する基礎研究の終了に伴い,彩漆を用いた新しい商品領域の拡大及ぴ感性豊かなオリジナル製品開発を目的として,山中,輪島両漆器産地を対象に試作を行った。主なる結果は次の通りである.
1)オフイス用文具,デスクウェアーとして,ポールペンと木製ケースを試作.彩漆の発色性およぴ 塗膜の付着性試験は良好であった。しかし,塗立仕上げは,刷毛目を生じた。
2)挽物による食器類として,ホルダーセット(大小5個の多目的容器)と箸を試作,彩漆のグラデ ーション(色の濃淡度)効果が表現できた。
3)インテリア製品として,彩漆40色の見本板とトレイを試作,色味の変化試験により,色調の 使用範囲が把握できた。
4)ホルダーセットは「ハレの器シリーズNo.1」として,第l9回石川県テザイン展に発表,特別 大賞を受賞した。
キーワード:文具,食器類,漆、顔料



ムライトタンマン管の作製

山名一男・宮本正規・土井健志・荒堀忠久・中村嘉秀・寺埼富久長

 ジルコニアクイプ酸素センサに変えて,ムライトタイプ酸素センサを作った。しかし,製鋼プロセスで使用の際,そのムライトタンマン官は十分な熱衝撃特性を持っていなかった。そこで,本研究では,以下の手法を用い,熱衝撃性に優れたムライトタンマン管を作製した。その作製方法について述べる。
1)焼成温度や保持時間の製造条件を変えたムライトタンマン管の作製。
2)ジルコニア添加したムライト原科の使用。
3)粒度配合したムライト原科の使用。
4)多孔質ムライトをコーティングした2層構造ムライト管の作製。
キーワード:ムライト、熱衝撃、多孔質,ジルコニア



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