編物のCAD/CAMシステムによる多色編みの研究
杉浦由季恵・土定育英・新谷隆二
編物のCAD/CAMシステムを用いることによって,色柄の複雑な生地を短時問で容易に編成することができる。色柄の複雑な生地を編成するには.その柄に合った多くの色糸が必要となる。しかしながら,通常のCAD/CAMシステムでは,6色以下の色糸しか使用することができない。そこで本研究では,6色の色糸によって複雑な色柄を表現するため織物の組織を応用する方法を検討した。
その結果,黒白赤黄青の5色を基本色として選定し,この中から,黒白,赤黄、黄青,青赤を組み合わせて,それぞれ15色づつのマンセル値を付記した編地サンプルのパネルを作成した。また,この方法を応用して,写真を原画とした「兼六園の四季」パネルを製作した。
キーワード:多色,メリヤス,CAD/CAM
作業解析用注視点計測装置の開発
漢野救泰・崎川浩三
注視点の計測はアイカメラを用いて行われているが,作業者の頭部に動きが生じた時は,注視点の自動計測は不可能である。本研究では,作業者の素早く,大きな移動にも対応できるように,作業対象面に絶対位置を示す9個の広指向特性LED(発光ダイオード)を設置する。この時,従来の注視点検出ユニットに付属する小型TVカメラから得られる画像で,各々のLEDの位置を検出することにより,作業者の位置・姿勢を解析し,注視点絶対座標を自動計測する装置を開発した。
開発した装置の特徴は,次のとおりである。
1)9個のLEDの識別により,広範囲な作業で注視点解析が可能である。
2)画像処理ハードウェアにより,l/30秒毎に注視点位置算出に必要な情報を抽出する。
3)頭部の回転移動が生じた時でも注視点の自動計測が可能である。
キーワード:注視点、アイカメラ、自動計測、発光ダイオード、画像処理
電導性ジルコニアセラミックスの実用化研究
−ジルコニア固体電解質の起電力特性に及ぼす厚みの効果−
中村静夫・山名ー男・漢野救泰、吉村卓二・下方幹生・伊奈克芳
ジルコニア酸素センサーの応答性を明らかにするため,酸素ゲージ性能評価装置を用い、測定温度を変えて白金を電極とした酸素濃度検出セルの起電力の経時変化を測定した。その結果,ジルコニア固体電解質の厚みが薄くなるほど酸素センサとしての応答速度は速くなることが判った。
センサ厚みが異なる場合の応答速度を推定するために,応答待性を表す拡散モデルを提案した。本モデルで定義した有効拡散係数の値は,アレニュウスプロットで直線性を示しており応答速度の推定には提案したモデルが充分に適用できることが明らかとなった。
石川ハイテクサテライトセンターU.S.A.調査報告(第2報)
塚林和雄・加藤直孝・漢野救泰
昨年度(l989年),米国ノースウェスタン大学に石川ハイテクサテライトセンクーU.S.Aを開設したのに続き,本年度は新たにノースカロライナ州立大学を先端技術情報の拠点に加えた。
l990年9月からl2月にかけて塚林,加藤、漢野の3名が両大学を訪問し,大学を中心にして運営されているリサーチパークの実態を調査した.
(l)ノースウェスタン大学エパンストンリサーチパークは,大学,研究開発センクー(BIRL),テナント,インキュベータから構成され、とりわけスクッフ,設備,コンピューク施設が整っている大学がキーステイションとなっていた。
(2)ノースカロライナ州リサーチトライアングルパークは世界最大規模のリサーチパークであり、パーク内をつないでいるコンピュクーネットワーク(C0NCERT)は産学官交流に有効に機能していた。
キーワード:リサーチパーク、インキュベータ、コンピュータネットワーク
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