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防水技術を用いた浴室テレビの開発
■アール・ビー・コントロールズ株式会社 開発部 商品開発室 宮崎則夫
■技術開発の背景
当社固有技術の一つに,浴室向け製品に使用されている防水技術がある。お湯やシャワーなどを利用する浴室環境におけるアイテムとして,給湯器用リモコンや浴室テレビなどがあげられるが,それらの製品には防水機能が必要不可欠である。
今回,浴室テレビの防水を実現する手段として採用したレーザー溶着技術について,またテレビを開発する上で要求されるEMC規格への適合についても述べる。
■技術開発の内容
防水を実現する手段として,パッキンを使用した封止技術が従来より知られており,比較的容易に製品の防水機能を実現することが可能であるが,その反面,長期的な確実性に対する不安も残る。
今回紹介する製品は,画面サイズが15インチと浴室テレビとしては比較的寸法が大きく,かつ高いデザイン性を実現するために薄型の形状が要求されたこともあり,従来のパッキンを使用しない,レーザー溶着による封止技術を採用した。
ケーシング材料の上ケース側に透過性の高い樹脂材料,下ケース側に吸収性の高い樹脂材料を使用し,密着面に沿ってレーザー照射を行うことで樹脂材料が溶融し溶着される。これにより,シンプルな構造でありながら確実な防水性能を実現することができた。
このほかに,テレビなどの電気製品に共通する電気的な課題として,例えばEMCの要求がある。テレビを販売する上で電気用品安全法(電安法)は必須の規制であるが,電安法には,安全に関する規格に加え,不要輻射や雑音端子電圧のようなEMCに関する規格が複数存在する。
このEMCの要求を満たすにあたり,工業試験場の協力を得て電波暗室およびシールドルームの設備を利用しながら,測定と対策を繰り返すことで所定の基準をクリアすることができた。
■製品の特徴
・ 長期にわたり安定した防水性能
・ 高いデザイン性
・ 薄型形状
・ 電気用品安全法への適合
■今後の展開
お客様のニーズに合わせた機能やデザインを維持しながら,さらにコストパフォーマンスの高い製品,信頼性の高い製品づくりに取り組んでいきたい。
(補足資料)