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エコ広告塔・非常灯「Wind Power Station」の製品化

■株式会社フタキ鉄工 二木喜則

■技術開発の背景
 再生可能エネルギーが益々注目されている中,風力発電機と太陽電池を用いて平常時は広告塔の照明に必要なエネルギーをまかない,災害発生による停電時は非常灯となる独立電源搭載の照明灯を製品化した。本開発における主な課題は,(1)台風等による強風時にも破損が発生せずに見た目に安心な回転速度の風車とすること,(2)住宅地に設置するために風車の騒音が発生しないことが挙げられた。

■技術開発の内容
 製品化したエコ広告塔・非常灯は,垂直抗力型の風車を搭載した。この風車は製品上部に設置した方向舵によって4枚の羽根が図1に示すようにあらゆる方向の風をとらえることができる。この風車は,水平プロペラ型や垂直揚力型の風車に比較して低騒音であるが,風車のエネルギー効率が低く,実用化された例はない。そこで,羽根等の部品の軽量化とともに,工業試験場に依頼して効率を追求した風車と発電機の両方のコントローラの開発を行った。その結果,2.0m/sの微風で起動し,20m/s以上の強風でも羽根は見た目に安心な60rpmの回転数を実現できた。また,羽根が低速回転となったために強風時の周囲環境音に対して無視できる程に低騒音化が図れた。さらに工業試験場と共同で2年間の実証実験を行い,図2のような製品が完成した。

(図1 風向と羽根の向き)
(図2 エコ広告塔・非常灯)

■製品の特徴
(1) 耐瞬間風速60m/s,耐最大風速36m/sで構造設計を実施
(2) 発電機による回生ブレーキと2重の機械ブレーキにより安全性を向上
(3) 携帯電話機の充電に対応,災害発生時の通信手段を提供

■今後の展開
 本製品は災害発生時の電力確保に役立つものとして,多くの引き合いがある。お客様の用途に合わせて発電能力に見合った利用方法を提案していく。

(補足資料)