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伝統とITのコラボレーション開発

■株式会社朝日電機製作所 砂崎友宏

■技術開発の背景
 「産まれも育ちも職場も石川県の自分が少しでも石川県の伝統工芸に役に立てないのか。」「石川県は全国第2位の伝統工芸王国だから,連携するとすごいことが起こるかも。」これらの思いから,北陸先端科学技術大学院大学のいしかわ伝統工芸イノベータ養成講座に参加しました。その講座を通して,九谷焼の株式会社青郊,山中漆器の有限会社道場漆器店,山谷漆工房等,産地の作り手達や工業試験場と開発体制ができました。そこで,伝統とITのコラボレーションにより,石川県の伝統工芸が活性化し,IT業界での差別化を図るパソコン周辺機器を企画しました。

■技術開発の内容
 石川の伝統工芸が持つ豊富な絵柄を活かして,多品種少量の商品開発を行いました。
 特に九谷焼や山中漆器が持つ素材感を活かすため,本体の材料や技法は従来の陶磁器や木地加工にこだわりました。中でも,焼成後に素地が変形する陶磁器は,電子部品を組み込む精度に至らず,取り付ける際の合わせ込み技術を確立して製造しています。

■製品の特徴
 九谷焼が持つ華やぎのある上絵や,山中漆器が持つ品格のある蒔絵や漆塗りを活かしたパソコン周辺機器ができました。
 平成20年に開発した「いしかわメモリ」は,無機質なオフィス空間を彩る電子の記憶箱と好評を得て,日本の伝統工芸とITを融合させた事例として話題を呼びました。また,商品サイクルが短いIT業界の中で,ロングランでじわりじわりと4000個以上の実績を得ています。

■今後の展開
 平成21年度いしかわ産業化資源活用推進ファンド事業に採択され,工業試験場にデザイン開発の指導を受けながら,九谷焼マウス等の新商品開発を行っています。また,海外拠点の強みを活かして産地と積極的に海外販売し,日本の和を世界的に発信していきます。

(新商品のポジショニングマップ)
(伝統工芸いしかわが創るUSBメモリ)
(開発中の九谷焼マウス)