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超純水製造装置「うるぴゅあ」の開発

■小松電子(株) 商品部 福村康和

■技術開発の背景
 超純水は,医療,半導体・電子部品の製造工程,化粧品,食料品等さまざまな分野で使用されているが,小型の超純水製造装置の市場は外資系企業1社で8割以上を占められている寡占状態である。その様な市場環境の中,ある大学より,新たなるニーズとして,より採水量の多い超純水製造装置の要望があり,その要望に応えるべく新規開発を行った。

■技術開発の内容
 技術開発においては,超純水での水質を確保しつつ,要望点である採水量を多くするために,有機物の分解に光触媒の手法を用いた。超純水では水質確保のため,有機物を極限まで低減させる必要があるが,現在,販売されているほとんどの機器はオゾン照射により有機物を分解している。この方法は,採水時の僅かな時間でオゾンを照射するため,採水時の流速は2L/分が一般的である。当社は,図に示すように,有機物の分解に光触媒を用い,それをタンク内に配置し,常時光触媒の効果を有効とする事のできる超純水のタンクを実現した。それによって,従来の1.5倍となる3L/分の採水量を確保できるようになった。
 また、EMC、環境試験評価は、工業試験場の支援により実施し、製品化に結びつけることができた。
※超純水製造における有機物の低減で光触媒の採用は,国内,米国での特許認定を受けた。

■製品の特徴
 光触媒の採用により,以下4点の特徴点を有する事ができた。
 [1]光触媒の採用による安定した水質
 [2]業界最大3L/分の採水量
 [3]ランニングコストの低減(業界汎用機の4割減)
 [4]省スペース(設置面積の低減)

■今後の展開
 日本国内での,お客様のニーズを反映させ,市場を席巻する外資系メーカーにない特徴点のラインナップを増強し,特に低ランニングコストを
はじめとするお客様のメリットを追求した。また,従来の市場の枠を超え超純水の新しい販路・可能性をご提案していく。

【補足資料】