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組紐技術を用いた長尺FRP製品の開発

■丸井織物株式会社 産業資材開発室 永井 章裕

■技術開発の背景
  大型テレビの製造工程において大型ガラスパネルの搬送を行うロボット(図1)には,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製のロボットアームが用いられている。このロボットアームはたわみを極力少なくする必要があり,軽量性と高い曲げ剛性が要求されている。従来手法は炭素繊維を一方向に配列したプリプレグ(炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸した成形材料)を手作業で芯金に巻きつけ,加熱炉を用いて樹脂を硬化させて生産している。そのため原材料費が高く,多くの人手がかかっている。
  本開発では図2のように,炭素繊維の組紐と一方向材を組み合わせて樹脂を含浸させながら連続的に引抜成形を行うことで,CFRPの生産性を向上させ,コストの削減を図る取り組みを行った。

(図1 ガラス搬送用ロボット)
(図2 引抜成形)

■技術開発の内容
  炭素繊維の組紐と一方向材に樹脂を含浸させながら連続的に引抜成形し,長尺のCFRPを生産する技術開発を行った。

■製品の特徴
1) 軽量
2) 高剛性,高強度
3) 長尺品 ※試作品(図3) 全長3m20cm
4) 生産性向上
5) 低コスト
  組紐技術を用いることにより糸種や組角度などフレキシブルな設計変更が可能である。また,連続的に引抜成形で生産することにより,長さの異なる製品への対応が容易に行える。

(図3 試作品 (右))

■今後の展開
開発した引抜成形法をロボットアーム以外の建築補強材,車両部品,スポーツ用品などに応用し事業化していく予定である。