簡易テキスト版

簡易テキストページは図や表を省略しています。
全文をご覧になりたい方は、PDF版をダウンロードしてください。

全文(PDFファイル:492KB、1ページ)

広幅化対応ウォータジェットルームの開発 −最新製織技術や振動騒音対策について−

■津田駒工業株式会社 繊維機械技術部 深町淳史

■技術開発の背景
 これまでエアージェットルームやレピアルームの分野であったホームテキスタイル織物分野において,最少のランニングコストで安定製織を実現し,しかも最高品質で織り上げることを目指した超広幅ウォータジェットルーム(340cm幅)を開発した。
 超広幅織機での稼動を支えるためには,部品の破損のみならず作業環境改善の面からも低振動であることが重要であり,オサ打構造の強化,フレーム構造の見直しを図り,ウォータジェットルームで問題となる噴射水の飛散を抑え,緯糸を遠くまで搬送する技術へと進化させた。

■技術開発の内容
1)石川県工業試験場,金沢大学と共同で行った振動解析結果を基に,フレーム構造の見直しを行った。また,ヨコ入れノズル間距離を短縮することで,多色ヨコ入状態の均一化と共に,オサ打ストローク,経糸開口量の減少が可能となり,稼動時の振動を低減させた。
2)「中受け付ロッキングシャフト」を採用し,オサ打構造の強化を図った。
3)「噴射水安定ガイド」の採用により,超広幅機で問題となる噴射方向の変化や噴射水の拡散を抑え,安定したヨコ入が可能となった。
4)脱水効率を高めるため,「脱水補助シート」を新たに採用した。その結果約400Wの消費電力低減を実現した。

■製品の特徴
1)対象織物:ボイルカーテン,薄地カーテン織物等
2)織物組織:平織
3)織機回転数:400rpm〜500rpm
4)織機オサ幅:340cm
5)ヨコ糸選択:2C/3C
6)開口装置:クランク開口 6枠
7)最大経糸張力:4000N
8)高品位製織:新止段軽減装置「PSS-W」の採用
9)安定稼動:「噴射水安定ガイド」の採用

■今後の展開
 今まで,エアージェットルームやレピアルームの分野であった広巾ホームテキスタイル織物が,最少のランニングコストで,しかも最高品質で織り上げることが可能となり,多くのお客様に満足していただけるウォータジェットルームに仕上がったと確信している。
 今後とも,さらなる高速化にともなう振動騒音対策や汎用性拡大等に向けて改良を継続し,お客様のニーズや更なる利益の追求にお答えできるようにしたいと考えている。