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環境にやさしい紙製ディスクケースの開発

■高桑美術印刷株式会社 技術開発室 佐々木利之

■技術開発の背景
 現状のCD/DVDケースは,大半がプラスチック製です。このディスクケースがプラスチックからオール紙製に置き換わることは,環境にとっては優しいことなのですが,従来の紙製ディスクケースではディスクの記録面などに傷をつける恐れがありました。そこで,オール紙製でもディスクを保護できる環境に優しいディスクケースを開発しました。

■技術開発の内容
 紙の表面に独自開発の「ソフトビーズ加工」を施し,ディスクの記録面の傷つきを防止しました。この加工法は,オフセット印刷技術を応用して紙の表面に微細な半球状の突起を多数成形するものです。特殊な紫外線硬化インキと専用の紙を使って,均一な突起を成形することにより,突起が保護層となって記録面の傷つき防止の効果をもたらします。さらにディスクの紙が張り付くことも防止できるようになりました。

(図1 ソフトビーズ加工)

■製品の特徴
 従来のプラスチックケースと比べて,原料のCO2排出量は約1/15になります。また,社会的に紙のリサイクルシステムが確立されていますので,オール紙製にすると不要になったディスクケースは再生紙としてリサイクルできます。
 さらに,紙なのでプリンターや一般的なペンで簡単に装飾できます。

■今後の展開
 オール紙製で,高価な金型費用がかからないので製品のバリエーションを創造することができます。図2に製品の一例を示します。

(図2 豊富な製品バリエーション)