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こんにゃくマンナンを利用した食品の開発

■株式会社オハラ 小原繁

■技術開発の背景
  こんにゃくは古くから食されてきましたが,近年食生活の変化により,従来のこんにゃくの消費は激減しています。一方,「こんにゃく畑」のようなこんにゃくの持つヘルシーなイメージを活用した商品については,消費が伸びています。こんにゃくゼリーに関しては喉につまるという事故もありましたが,美味しい・ヘルシーというイメージが定着し底堅い消費となっています。
そこで,今回こんにゃくの持つ機能性を活かして,もっと簡単にこんにゃくを食べることができないかという観点で,工業試験場の支援を受け「こんにゃくクッキー」の開発に取り組みました。

■技術開発の内容
  こんにゃくの主成分であるグルコマンナンは高分子のため粘性が高く,少量の添加で物性が大きく変わってしまいます。そこで,弊社では酵素を利用して加水分解を行い,グルコマンナンを低分子化し粘性を下げ,取り扱いしやすくすることに成功しました。この低分子マンナンをクッキーの生地に配合することにより,通常のクッキーよ りも大幅に食物繊維の量を増やすことが可能となりました。
 次にこんにゃくをオレンジ等の果汁で煮込んだ後,グミ風の食感を持つような加工に取り組みました。しかし,通常の製法ではこんにゃくの粘りが強く,歯に付着しやすいという欠点が生じたことから,酸でゲル化の強度を調整することにより,最適な食感を得ることが可能となりました。このグミ風のこんにゃくをチップ状にカットし、こんにゃくクッキーの生地に配合することで,より多くの食物繊維を含む新しい食感のクッキーを試作しました(図1)。

(図1 こんにゃくクッキー)

■製品の特徴
  試作したクッキーを工業試験場で分析した結果,100g当たり約14-18gの食物繊維を含むことが明らかとなりました(表1)。すなわち,商品形態では1袋当たりこんにゃくクッキー6枚入り(約48g)を想定しており,このこんにゃくクッキー1袋でレタス大玉1〜2個分の食物繊維量と同等となります。従って,通常のクッキーに比べてカロリーが10%程度低く,食物繊維が豊富に入っていることが特徴となります。

(表1 こんにゃくクッキーの成分表)

■今後の展開
  6月中旬から東京で先行発売を行い,価格・味・デザイン等のデーターを集めます。その結果をもとに,9月から全国のコンビニで本格的な販売を行う予定です。

【補足資料】
包材の版下2点