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食品衛生検査における迅速法の導入

■株式会社アルプ 食の安全研究所 畔川公秀

■技術開発の背景
 弊社では,食の安全研究所において食品関連会社より検査依頼を受け,残留農薬検査や微生物検査といった食品衛生検査を行っている。微生物検査においては食品衛生法に従い,個々の食品について一般生菌数:1万個以下/g,大腸菌群:陰性といったように検査項目及び基準が定められている。しかし近年,消費者の食の安全に対する関心が高まっていることから,多種多様な顧客の要望に合わせた迅速な対応が求められている。
 従来,我々は一般生菌数からサルモネラなどの食中毒菌検査まで培養検査を主体に行ってきた。しかし,培養法だけでは結果が得られるまでに5日を要するなど,昨今の消費者ニーズに対応しきれないのが現状である。このため,食品衛生検査において培養法に加えて迅速法であるPCR法を導入していくことは重要な課題であった。

■技術開発の内容
  肉類などを中心として検査依頼のあるサルモネラ検査について迅速 検査法であるPCR法の導入を行った。導入にあたっては工業試験場よ り,PCR法の基本的な原理・試験操作法について指導を受けた。さらに,サルモネラ検査をPCR法で実施するための条件,検査手順,並び に従来法とPCR法の比較検討を実施するにあたっての実試料を用いた 有効性評価法について指導を受けた。

■製品の特徴
  従来は5日を要したサルモネラ検査において,PCR法の導入により 最短2日間で結果を判定することが可能となった。

■今後の展開
  今後も顧客の要望に応じた迅速な対応ができるよう,多様な検査の迅速化を進めていく予定である。