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醤油粕の有効利用方法の開発

■株式会社スギヨ 開発本部  新田 一朋

■技術開発の背景
 近年,消費者の機能性食品に対する関心が高まっている。株式会社スギヨも特定保健用食品や栄養機能食品等の開発に取り組んできた。現在も地産地消をベースに多種の機能性食品を開発中である。
 現在,我々が注目している機能性成分の一つがイソフラボンである。イソフラボンとは大豆に含まれるポリフェノールの一種であり,様々な機能を持つ。なかでも機能性が高いアグリコン型イソフラボンが醤油粕中に多く含まれることがわかっている。
 醤油粕とは醤油製造の際に生じる絞り粕であり,全国で大量に排出されているが,大半が有効利用されておらず,産業廃棄物化している。
 よって,醤油粕からアグリコン型イソフラボンを抽出し,機能性食品素材として活用することは,資源の有効活用および地域の食品産業活性化のために有意義な研究課題と考えられた。

■技術開発の内容
  我々は,醤油粕からアグリコン型イソフラボンを抽出精製する方法に関して石川県工業試験場と共同研究を行った。結果,アルカリ性エタノールを用いることによって抽出効率が上昇することを見出し,特許出願(特願2006-041168)を行った。その後さらに改良を重ね,アグリコン型イソフラボン含有粉末の製造方法を開発した。

■製品の特徴
  アグリコン型イソフラボンを含む粉末状の製品であり,サプリメントとしての利用や,イソフラボン含有食品(例:イソフラボン入りちくわ,イソフラボン入りごましんじょう等)の開発を行うことが可能である。

(アグリコン型イソフラボン含有粉末)
(イソフラボン入り ちくわ )
(イソフラボン入り ごましんじょう )

■今後の展開
  現在この成果を元に,大野醤油醸造協業組合と共同で生産プラントの検討を行っている。ラージスケールでの抽出精製法を確立し,大野醤油で排出される醤油粕からアグリコン型イソフラボン含有粉末を製造することを目標としている。