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能登珪藻土を用いたハニカム構造の製作

■丸越工業株式会社 販生推進Gr. 松浦 一弘

■技術開発の背景
   環境問題への関心の高まりから,工場などから排出されるガスの規制も強化される傾向にある。能登珪藻土は多孔質材料で,メソ及びマクロ気孔が多数あり,細孔はガスの拡散通路や触媒担体・ろ過材に使われる。多孔質材料である珪藻土は触媒担体として適した機能を備えているので,珪藻土ハニカム多孔体を試作し,その実用化に向けた開発を図る。

■技術開発の内容
 能登珪藻土の物性を評価し,成形条件についての検討のための参考とした。
[1]能登珪藻土の評価
 (1) 化学組成・鉱物組成
 (2) 粒度分布
 (3) SEM観察
 (4) 細孔分布
 ハニカム成形体を試作するためのバインダーの選定を行った。次に珪藻土の低温焼成では焼成品の強度が不足するために,強度を上げるための添加剤を検討した。
[2]多孔体の試作
 (1)成形用バインダーの選定
 (2)強度
 試作したハニカム成形体について触媒担体として使用可能であるか物性評価を行なった。
[3]多孔体の物性評価
 (1)空隙率
 (2)圧力損失
 (3)圧縮強度

■製品の特徴
 今回試作したハニカム多孔体のサイズはφ30mm×15mmtで,200セル/in2(ピッチ1.8mm,リブ厚み0.3mm)の正方形セルから構成される(図1)。
 600℃で焼成したハニカム多孔体の圧縮強さは2.0MPaであった。ハニカム多孔体はガス拡散抵抗がペレット品よりも小さくなるので脱臭触媒担体として有効である。

(図1 ハニカム多孔体試作品)

■今後の展開
 今回試作した珪藻土ハニカム多孔体を担体とした脱臭触媒の合成を検討する。  珪藻土の細孔は比較的大きなものが多いため,スラリー含浸法を主に検討を行なう。