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引戸におけるユニバーサルデザインハンドルの開発

■コマニー株式会社 マーケティング部 高橋 未樹子

■技術開発の背景
   一般的によく使われている引戸には,身体の特性により,(1)扉を開けづらい,または開けられない,(2)閉まってくる扉にはさまれる,または恐怖感を抱いている,(3)特に袖壁(戸先側の十分なスペース)がない場合には,歩行器や車いすが壁と接触し不安定な体勢で開閉操作を行っているといった問題がある。

■技術開発の内容

 本研究ではこの問題を解決するために石川県工業試験場と石川県リハビリテーションセンターに協力をいただき,新しいユニバーサルデザインハンドル(以下,UDハンドル)(図1)を考案した。そして,実際にさまざまな障害のある方々25名に一般的に使われているハンドル(以下,Iハンドル)(図2)との比較検証を行った。

(図1 UDハンドル)

(図2 Iハンドル)

■製品の特徴
 UDハンドルの特徴はループ形状であり,次の設計条件から導き出した。
(1)歩行が不安定な方や車いすの方が身体の位置や体勢を変えずに十分な開口幅を得られるように二度引きができる形状であること
(2)壁がなくても良好な姿勢で開閉ができるように戸先から離れた位置にハンドルがあること
(3)手のさまざまな障害を考慮して水平ハンドルを設置すること
 また,UDハンドルとIハンドルの比較検証により,次の利点も確認された。(図3参照)
(1)ハンドルでは開閉操作を行えなかった人が,UDハンドルの2本の垂直部分を利用することにより開閉操作が行えるようになった。
(2)動きが小さく,安定した体勢で開閉操作が行えるようになった。
(図3 開閉時の体勢)

■今後の展開
 協力いただいた被験者から「使いやすい」という意見をいただき,また2005年の国際福祉機器展においても非常に好評だったことから,現在,商品化に向けて開発を進めている。