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エンジンスターターキットの開発

■株式会社リニア・サーキット ハードウェア開発部 新保 吉浩

■技術開発の背景
   自動車メーカーの純正製品であるエンジンスターターキット(遠隔操作で自動車のエンジンを始動させるシステム)の開発を受注した事から,高信頼性(安定動作),遠距離到達性(スキー場のゲレンデでも利用可能)などの性能を持った製品開発を行う事となり,特定小電力の認可も見据えた開発内容となった。

■技術開発の内容

(図1 エンジンスターターキット一式)

(図2 超小型部品を多用し,リモコン機を小型化)

 より遠くまでの電波到達距離(見通しで4km強)を実現させる為に,単に高出力化を図るだけではなく,アンテナマッチングの最適化(電波をよりロスなく放射)を図る他,ノイズフィルターの改善にも力を注いだ。
 また,特定小電力の認可を受ける為には高精度の測定が要求され,外来ノイズを防ぐことができる「電波無響室」などの開発環境や,高周波に対応した高性能な「高周波信号解析装置」などが必須であったが,工業試験場のそれらの設備を利用する事でTELEC(テレコムエンジニアリングセンター)の試験項目の測定などを事前に行う事ができ,無事認可を受ける事ができた。
 さらに,微弱な電波を発射するユニットに関してはTELECの認可は必要ないが,電界強度が法規内に収まっているかの確認が必須であり,それらの測定も同様の設備で行った。

■製品の特徴
・軽量小型化を実現。
・バッテリーの消費電力を抑えて長寿命化に成功。
・広い温度範囲で安定した動作を実現。

■今後の展開
 今回の開発で得られた技術を応用して,高出力,高周波に対応した製品を開発していく。