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■技術開発の背景 昨今,自動車部品,家電部品,医療機器部品をはじめとして多くの部品の小型化,低価格化が急速に進んでいる。しかし,これらを加工するための工作機械の大きさは旧来通りである。そのため市場から,機械の「小型化」,「省エネ化」に対する要求は非常に強くなっており,「マイクロマシン」の開発が数多く行われている。弊社では,従来機と同等の加工が可能で,機械幅を300mmとした小型旋盤「USL-300」(Ultra Slim Lathe)の開発を行った。 ■技術開発の内容 弊社従来機におけるセットアップワークの調査を実施したところ,φ30mm×長さ50mm以下のものが54%占めていた。大手自動車部品メーカからの市場要求(機械幅を対象ワークの直径の10倍以下とした機械の開発)もあり,このサイズのワークを加工対象として,平成15年度に開発着手した。開発は,弊社小型従来機の構造(特願2002-133660)を基本に各要素,ユニットをダウンサイジングする方法で行った。制御装置や購入部品などの小型化においては各メーカと,技術的部分については,(独)産業技術総合研究所,石川県工業試験場とそれぞれ連携して開発を実施した。 ■製品の特徴 ○機械サイズは,幅300mm×奥行1175mm×高さ1200mmを実現 (参考;A3用紙サイズは幅297mm×420mm) ○機械設置スペース従来比70%削減,ベッド容積79%削減,1台あたりの質量82%削減 (弊社従来機X-10i比較データ) ○NC操作盤は脱着型 (機械運転時に最低限必要な機能のみ機械側に設置) ○主軸移動型スライド(機械スペース削減のため主軸は前後方向へ移動) ○くし型刃物台(左右移動)に16角バイト2本取付可能 ○熱変形対策として,ベッド対称構造,ボールネジのプリテンション構造の採用 ○最高10000min-1回転のビルトイン主軸 ○切削油タンク等共通パーツを分離した1つのベースとして,その上に旋盤本体等を搭載する 構造によって,ライン構成変更が短時間で可能 スリム旋盤 USL300 ■今後の展開 一部ユーザへの納入実績もあり,従来機と比較して消費電力削減効果50%以下を実現した。さらに,ツールを4本まで搭載可能な機械幅480mmとした「USL-480」を開発済。シリーズ化を進めていく予定である。 |
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