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 金時草を利用した酢味つゆの開発について
 青木クッキングスクール 理事長 青木 誠治*

■技術開発の背景
 石川県の代表的加賀野菜の一つ「金時草」は生食用としての利用にほぼ留まり、全国発信が可能な加工食品はありませんでした。今回の新製品開発は、先に県の研究機関等で発表された「金時草の血圧上昇抑制効果」および「金時草の抗酸化性」等の機能性の研究成果を具現化し、金時草を有効利用した加工食品の製品化と同時に金時草の特性を生かし、これまでの醤油ベースのつゆに代わって食酢をベースとした酢味つゆの製品化を目的としました。

■技術開発の内容
(1)金時草の特性の解明
(1)粉末の可能性 (2)エキスの抽出方法 (3)葉添加の可能性 
(4)色素変化 (5)収穫時期 (6)栽培条件 (7)部位による特性
(2)酢および調味料の選定
(1)酢 (2)酒 (3)醤油 (4)砂糖 (5)塩 (6)出し汁
(3)適合テストおよび食味の追究  (4)健康効果
(5)安全性  (6)工業所有権  (7)製品化・商品化
(8)市場調査

■製品の特徴
  最大の特徴は加賀野菜の「金時草」を使用し加工食品とした事と、食酢をベースとして酢味つゆとした事です。 薬事法との関係で直接的には効果を表現できませんが、金時草のもつ機能性、特に抗酸化性については生の金時草と同程度の数値になっております。
通常の醤油ベースのつゆに比べて半量程度に塩分量を減らしても、食酢を使う事で食酢の刺激が清涼感を与え塩分の味覚を補足し食欲増進を促します。 さらに食酢のもつ殺菌作用やビタミンC破壊酵素の抑制作用を奏する事が可能となります。 金時草の鮮やかな紫色が色彩効果を高め、視覚をも満足させます。

■今後の展開
これまでには無い酢味つゆであるという事と、加賀野菜の金時草を使ったという事を特徴として今回同時に開発した「能登の味 あごつゆ」と「加賀の味 ごまつゆ」と共に
「金澤の味 金時草酢味つゆ」の全国展開を目指します。 今後は地元石川県の産品等を活用し、「伝承」「家庭」「健康」「安全」「地産地消」や「土産土法」等の言葉をキーワードに企画・研究開発を継続して行きたいと思っております。



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