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 IT活用による大型溶接構造物製造の合理化
  東和 株式会社  管理部 中 誠*

■技術開発の背景
多品種少量生産時代に入り、開発・試作段階でのCAD・CAMシステムによるモノづくりは必須となっている。しかし、CAD・CAMシステムによるモノづくりは、電子部品等の「軽薄短小型産業」や造船、建築・橋梁、大型産業機械等の「重厚長大型産業」では、ほとんど特定企業に特化しているのが現状である。こうした中で、先進企業をビジネスモデルとして、高精度でしかも高能率(短工期・低コスト)生産を図るためにITを活用し、高度な独自技術を保有する企業同士がネットワーク化を図り、産業の新しいモノづくり技術を確立する必要がある。
今回、当社では、新分野開拓として受注した水力発電用水路管製造において、これまで培ってきた大型産業機械(プレス)の製缶加工ノウハウと3次元CADシステムとの連携による大型溶接構造物の試作・加工を行ったので報告する。

■技術開発の内容
 3次元CADシステムを利用し、「ユーザ支給の2次元図面を立体図(3次元)にモデリ
ング」を行い、それを「(3次元)部品細分化→2次元展開図化→切断加工図化→NCテープ化」を社内LANを活用して展開した。この結果、これまでの同等の溶接構造物に比べ精度は飛躍的に向上し、且つ短納期で作り上げることが可能となった。

■製品の特徴               
"大蛇"を想像させる長さが22m、高さが11m、重さが約33トン、丸円形部は入口
と出口だけのグロテスクな管(他は、平べったい楕円形)しかし精度は、入口と出口の差が10mm以下と驚きの出来上がり。(これまで約100mmの段差)

■今後の展開
 これまで培ってきた「熟練の技」を継承していくために、製造技術(MT)と情報技術(IT)の一体化技術(サイバーファクトリー技術)の体系化、パッケージング化を図り、「一品製品」特に、大型溶接構造物などに対して設計・企画段階からの提案を行い、さらに地域共有型のモノづくりを展開する。


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