技術ふれあいミレニアム2000発表会要旨集
生ごみ堆肥化システムの開発と評価
加州工業株式会社   伊東 敏


■技術開発の背景
 全国のごみ総排出量は年々増加しており、年間5000万トン以上といわれています。その中で、生ごみはごみ総排出量の約34%を占めています。現在、ごみの最終処分場が不足しており、その延命の点から生ごみの有効利用が求められています。
 今日、数多くの生ごみ処理装置が商品化されています。しかし、生ごみ処理時に発生する悪臭が完全に除去されなかったり、処理物残渣が廃棄物になったり、微生物資材の費用が高かったり、処理装置が複雑な制御機能を持っており高価であるなど、使用者の立場からの製品開発が欠けていると感じられることがしばしば見受けられます。
 弊社は、使用者の立場から生ごみ処理装置を開発し、生ごみ処理物の有効利用を考えました。

■技術開発の内容
 生ごみ処理時に発生する悪臭の除去は必要不可欠です。本装置では、処理装置内の水分を適切に調整し、高い脱臭能力を持つ廃材を脱臭塔に組み込むことで悪臭を完全に除去しました。また、水分調整材・菌床は、くぬぎ廃材、能登抜根堆肥、竹材コンポストなどリサイクル廃材を使用し、処理物残渣を堆肥化しやすくしました。
 生ごみ処理装置本体の開発では、生ごみの撹拌方向を縦軸方向にすることにより、処理物の固化による撹拌機能の低下を大幅に低減させました。

■製品の特徴
 ・生ごみ処理時に発生する悪臭を完全に除去した。
 ・微生物は自然発生菌を使用した。
 ・水分調整材・菌床・脱臭材はリサイクル廃材を使用した。

■今後の展開
 ・処理物を2次発酵させ堆肥としての検討を行う。
 ・2次発酵用の装置を開発する。
 ・生ごみ処理装置の撹拌方式を改良する。


* 常務取締役
代表者名 代表取締役  加辺 伸一郎
住   所 〒924-0057  松任市松本町2513番地
    TEL 076-274-3332 FAX 076-274-2223

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