技術ふれあいミレニアム2000発表会要旨集
高機能素子「ユニット回路素子」の開発
ライオンパワー株式会社 白鳥 治男


■技術開発の背景
 電子部品は汎用性を高めるため単機能のものが多い。そのため、広範な回路機能を実現するためには多種・多数の部品をプリント板に装着する必要がある。また、IC等の部品は、機能する素子(部品の核)よりもパッケージ部分が大きく、これらのことが小型化、低価格化の妨げとなっている。
 本開発では、圧力調整機の開発を通して、安価な設備で実現可能な半導体技術を利用し、パッケージ部分を省いた高機能ユニット回路素子開発を目指した。

■技術開発の内容
 開発の第1段階では、既存の半導体技術及び周辺技術の調査・研究を行った。また、これと並行してターゲット製品を既存の製品から選び、回路の一部を半導体素子に置き換えることで小型化と価格低減が可能との見通しを得た。
 第2段階では周辺技術の確立のためセラミック基板の導入とワイヤボンディングの条件出しを行った。ターゲット製品には半導体素子として圧力センサのベアチップを使うことに決め、その用途をエアージェット式織機の噴射空気圧調節に絞って開発を進めた。
 第3段階では圧力検出及び制御回路の検討を終了し、制御対象となる圧力調節機構の実用化に向けた試作・評価を行った。

図1 噴射圧力制御の概略
■開発製品の特徴
 エアージェット式織機において断続的に噴射される空気の圧力を検知、フィードバックして噴射圧力を外部から電気的に制御可能とした。これにより右図の構成の織機において5つのバルブの噴射圧力を各々最適に制御できる。(特許出願中。)

■今後の展開
 さらなる小型化を図るため、内部レイアウトの最適化作業を行う他、量産化技術の検討を行う。さらに、ユニット回路素子の応用を広げ、自社製品の小型化、低コスト化を図る。

* 研究開発室 主任研究員
代表者名 代表取締役  高瀬 政明
住   所 〒923-0972 小松市月津町ツ5番地
    TEL 0761-44-5411 FAX 0761-44-8080
        
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