高周波特性を反映した回路解析  ―高周波回路設計の効率化を目指して―

 電子機器では、処理速度を向上させるために、機器内の情報伝達に使われている信号の"高周波化"が進んでいます。しかし、高周波信号では波形が歪み易く、例えば電子基板配線上のA点での入力矩形波がB点ではオーバーシュートすることがあります。このような場合、正しく情報が伝達しないので、設計変更になる恐れがあります。これを防ぐため、設計の際に予め信号波形を解析しますが、従来の方法では高周波領域での解析精度が低いため、その向上が求められています。

 そこで、電磁界解析システムを用いて計算できる高周波の各種特性のうち、配線パターン上での信号の伝わりやすさ(透過特性)に着目し、配線パターンの透過特性と元の矩形波を合成することで、波形の歪みを解析する手法を構築しました。本解析法により、多種の配線パターンで信号の歪みや減衰などを精度良く解析できることと、得られた信号波形が実測波形と良く一致することを確認しました。ご興味のある方は、ご相談、ご利用ください。


透過特性を反映した解析法

 

担当:電子情報部 橘 泰至(たちばな やすし)

専門:電子回路

一言:電磁界解析システムを利用して高周波回路設計を支援します。