電子回路基板の統合開発システムを開放  ― 高集積基板の開発をトータルに支援 ―

 電子回路基板の開発には、デジタル回路設計、アナログ回路設計、各部品の配置や配線など数種類の設計工程があり、これらの工程毎に専用の開発システムが利用されていました。しかし、電子回路の高速化、小型化及び開発期間の短縮等の要求を満たすため、これらの設計工程を一貫して支援できる統合開発システムが求められています。

 そこで、電子回路基板の統合開発システム(アルティウムジャパン社製)を導入して、県内企業が開放利用できるようにしました。この開発システムには、回路設計および伝送線路解析、FPGA(Field Programmable Gate Array)の自動ピン配置、自動配線長調整、三次元基板表示などの機能があり、基板の設計工程を一貫して効率的に実施できます。(図およびお知らせに記載の仕様を参照。)

 工業試験場では、FPGAの回路構成を書き換え可能である特長を活かして、これまでに食品検査装置や路面監視システムなど県内企業の製品開発を支援してきました。今後は、豊富な設計支援機能を持つ本開発システムを県内企業の独自開発にご利用いただくとともに、高度な電子回路基板を用いた新製品開発の共同開発に活用していきます。

回路設計 FPGA設計
   
アートワーク 三次元基板表示
   
システムの表示画面例(製品カタログより引用)

 

担当:電子情報部 田村陽一(たむらよういち)

専門:電子回路

一言:電子回路基板の設計および試作を支援します。