低温触媒CVD装置の開発
〜非透湿プラスチックフィルムの研究開発〜

 プラスチックなどの高分子材料は軽量で柔軟ですが、水蒸気や酸素をわずかに透過するため、用途が制限される場合があります。例えば、食品包装紙では、食品を水蒸気や酸素による劣化から守るため、内側にアルミニウム膜を蒸着しています(図A)。この場合、中身が見えないため、購買意欲の低下や品質管理が困難といった問題があります。水蒸気や酸素を透過しない透明な無機膜をプラスチックフィルムにコートできれば、高分子材料の長所を残しながら、付加価値を付与できます(図B)。
 工業試験場では、(株)石川製作所(金沢市)と北陸先端科学技術大学院大学との連携により、プラスチックフィルムに非透湿性窒化シリコン(SiNx)膜をコートする低温触媒CVD装置を開発しました(右図)。
 また、本技術を用いて、次世代ディスプレイと言われる有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの長寿命化などへの応用も目指しています。

■製品の特長■
(1) ロール状プラスチックフィルム(成膜幅30cm)に連続成膜(フィルム厚0.1mmで250m程度)が可能。
(2) 低温成膜が可能。
耐湿性プラスチックフィルムの応用例(左)と
プラスチックフィルム用低温触媒CVD装置(右)


担当 電子情報部 部家彰(へやあきら)
専門 半導体材料、薄膜形成、表面処理
一言 地方から全世界に羽ばたく技術開発を目指します。



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