文書中に別の情報を埋込む
−印刷文書を対象とした電子透かし技術の開発−

 紙幣は透かしによって偽札との区別ができます。もし、身の回りの印刷された文書にも、紙幣の透かしの様なものが入っていれば、著作権保護や秘密情報の伝達、不正コピーの流出経路の特定等に応用できます。工業試験場では、印刷された文書を対象に、この透かしに相当する情報を容易に埋め込む手法を開発しました。開発した手法は、文字の一部に図のような切断加工(スリット)を施して情報を表現するものです。また、最適なスリット幅の決定、検出エラーの低減方法、及び第三者への情報漏洩についての検証実験を十分行うことによりその有効性を確認しました。
 情報セキュリティの関心が高い昨今、電子透かしといわれる印刷文書への情報埋め込み技術の需要は多くなっています。今後は、この開発技術が応用できる分野の検討と技術の実用化を図っていきます。

■技術の特徴■
(1) 埋め込まれた簡単な情報は、パソコンなどを使わずに目視で容易に読み出すことができます。
(2) 埋め込まれた情報が第三者へ漏れる可能性は低レベルです。
情報を表現するために加工された文字の例  


担当 電子情報部 林克明 (はやしかつあき)
専門 情報セキュリティ
一言 情報セキュリティ、ネットワークに関する技術的課題は、情報技術担当にご相談ください。



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