工試単離微生物を製品化
−厨房排水中に含まれる油の分解に効果−


 近年、地球に優しい環境浄化技術が求められており、その中でも微生物を用いた浄化方法が注目されてきています。微生物による浄化はバイオレメディエーションといわれ、汚染した土壌や地下水などに用いられています。
 工業試験場では、これまでに油分解バイオリアクターの開発や有用微生物の探索、それらを用いた動植物油・鉱物油の分解などに取り組んできました。
 その結果、新潟県の土壌より植物油をよく分解する微生物を単離することができました。この微生物は遺伝子解析より新規微生物であることが判明し、さらに病原性を持たず、マウスを使った試験からも安全性が高いことが分かりました。
 工業試験場は、共同研究先である(株)ゲイト(金沢市)と新規微生物、それを含有する油脂分解剤、および当分解剤を用いた油脂含有物質の処理方法を共同で特許出願しました。
 現在、本微生物は(株)ゲイトより製品化され、レストランや食堂などの厨房から排出される油の分解に利用されています。
微生物製剤により油滴が消滅


担 当 化学食品部 井上智実 (いのうえともみ)
専門 微生物工学 表面処理
一言 微生物の可能性は無限大です。



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