電子電気系モノづくり支援設備の整備

 企業の新製品・新技術開発における設計から試作・評価までを支援する「モノづくり支援センター」が平成15年2月にオープンし、機械・繊維・食品分野で利用されています。
 平成16年からは電子電気分野での開放機器利用が可能となります。5階の電子系開放試験室、クリーンルームを中心に、電子電気産業分野のニーズに対応できる最新設備を導入し、プリント基板、電子デバイス、自動検査システムなどの設計・試作・評価が行える共同利用型実験環境を整備。既設の設備や電波無響室、シールドルームとともに活用することで、企業の製品開発をバックアップします。
 主な利用例を以下に紹介します(特定の工程での利用だけでなく、試作から評価まで一連の工程で利用が可能です)。
自動外観検査システムの設計・開発
   画像処理用の高機能カメラシステムを新設します。この装置は、各種対象物の外観検査や計測・監視の自動化システムの設計、ソフトウェア開発及びその検証に利用できます。特に、カラー画像処理、高輝度画像処理、高速画像処理を必要とする対象物に対して効果を発揮します。
専用ICの試作
   書き換え可能な大規模集積回路を試作できるFPGA作製システムを新設します。ソフトウェアで実行していた処理をIC化することで、信号処理の高速化、プリント基板の高機能化、小型専用化が可能となります。
プリント基板試作
   プリント基板設計用のCAD/CAEシステムを新設します。このシステムを利用すると、回路設計と連携した多層プリント基板設計とともに、その信号品質、電磁障害の状況がシミュレーションで解析できるようになります。設計されたデータは、既設のプリント基板試作装置で利用できるため、設計の段階で高品質化や雑音対策を施したプリント基板の試作が可能となります。
実装素子の微細配線
   ワイヤーボンダーを新設し、IC、トランジスタなどプリント基板上に実装した素子と基板との間の微細配線に使用できます。
電極形成、センサの開発
   固体材料を電子ビームで加熱蒸散させて薄膜を形成するEB(Electron Beam)蒸着装置を新設し、半導体素子上の電極形成や薄膜センサの作製、基板上の細線パターン形成に使用できます。
基板材料の開発
   合金やセラミックス材料を等方加圧プレスにより焼結処理するHIP焼結装置を新設し、セラミックス基板やセンサの材料の開発に利用できます。
基本的電気特性の計測
   プリント基板試作装置やEB蒸着装置を利用して試作されるプリント基板やセンサの動作実験や基本的電気特性の測定が行える動作確認システムを整備します。
プリント基板の温度分布解析
   温度分布解析システムを新設します。2次元温度分布が非接触・高精度で測定できるため、高密度実装プリント基板の発熱箇所の特定・解析が可能となります。
高周波信号の解析
   高周波信号が解析できるマイクロ波信号分析装置を新設します。試作した回路や素子の高周波特性(インピーダンスなど)が評価できます。
その他
   既設の各種電磁ノイズ測定、耐性試験装置を利用することで、試作したプリント基板や電子機器の電磁ノイズ評価が可能です。




担 当 電子情報部 漢野救泰(かんのすけやす)
T E L 076-267-8084



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