液体クロマトグラフ質量分析システムを導入
―幅広い食品の微量成分分析に対応―


 食品の製品開発や品質管理には、アミノ酸や核酸などの成分分析は欠かすことができません。例えば食品中のグルタミン酸濃度がわかれば、旨み成分の多い食品の開発につながり、また、製品の品質管理にも役立ちます。
 工業試験場では、県内食品関連業界の開発・試験を支援するため、高度な分析装置を各種揃えています。このうち、上記のような成分分析には、図に示したLC(液体クロマトグラフ)とGC(ガスクロマトグラフ)を主体とした装置を用います。これらは、測定したい成分の性質に合わせた専有機となっており、例えば、アミノ酸と有機酸の測定にはLCを、香気成分のような揮発しやすい物質の測定にはGCを用います。LCは図のように幅広い成分に適用できます。今回導入した液体クロマトグラフ質量分析システム(LC/MS)は、LCの検出器部分に質量分析計(MS)を持っています。このため、食品中の様々な成分の分離・分析が、これまで以上に感度良く行え、微量成分にも対応できます。また従来のLCは既知成分の分離・同定しか行うことができませんでしたが、LC/MSは分子量の情報をもとに未知物質の推定を行うことも可能となり、成分分析の幅が広がりました。
 モノづくり支援センターの食品加工実験棟には、その他真空凍結乾燥機や電気透析装置等の開放試験機器を揃えておりますので、皆さんの試験・研究にご活用ください。

担 当 化学食品部 勝山陽子(かつやまようこ)
専門 食品化学、応用微生物、遺伝子工学
一言 食品中の新しい機能性成分を探求します。



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