新たな繊維表面の改良方法を開発
活用プラザFS研究スタート


 いしかわサイエンスパーク(辰口町)内にある研究成果活用プラザ石川の平成14年度FS委託研究(実用化検討に係る試験研究事業)に,「包接能物質を固定化した繊維材料の開発研究」 が採択され,9月から研究を開始しました。
 本研究では,物質を吸着する特殊な性質(包接能力)を持つシクロデキストリンに注目し,これを繊維表面に固定化させた高付加価値繊維製品の開発を目指します。
 シクロデキストリンとはブドウ糖がいくつかリング状に繋がった分子で,上から見ると底の抜けたバケツのような形をしています。(右図参照)内部にはこの空洞のサイズに合った物質を取り込むことが出来ます。現在のところ食品や化粧品などへ応用されていますが,本研究では繊維分野での応用を目指します。   
 繊維表面に固定化すれば、繊維の表面積を活かした大きな反応面積が得られ、種々の応用展開が望めます。例えば、悪臭成分を吸着する機能を持つ衣料品や,インテリア製品への用途などが考えられます。
シクロデキストリン固定化繊維の模式図
シクロデキストリン固定化繊維の模式図

担 当 繊維部 神谷 淳 (かみたにじゅん)
専 門 繊維物性, 有機化学
一 言 石川から新しい繊維技術と独自ブランドの開発に期待します。


トップページ

技術ニュース

前のページ

次のページ