生分解性プラスチックで環境対応製品
企業・砂丘地農試との連携で新製品を開発


 工業試験場では, 環境に影響を与えない生分解性プラスチック製品の研究を行っています。 この度,独自の風合いを持つ生分解性繊維と作物栽培用の生分解性ネットを開発しました。
 中興化成工業(株)(東京)と共同開発した繊維は,色あせが起きない,かさ高でソフト感のある織物が得られるなどの特徴があります。用途はカーテンなどインテリア関連が考えられ,(株)繊維リソースいしかわではこの繊維を用いて椅子貼地を試作しました。
 スイカ等のつる性作物の栽培には,つるを固定するためにポリエチレン製ネットが普及していますが,栽培後の焼却処理による環境影響や分別作業と費用負担が課題です。農業総合研究センター砂丘地農業試験場,中興化成工業(株)と共同開発したネットは,つると一緒に埋めれば分解するため,分別作業が必要ないうえ,これまで焼却していたつるを堆肥として再利用できます。
 今後も連携による効率的な技術開発を行い,環境対応型製品の開発と環境に優しい産業の推進を図りたいと考えています。
開発繊維で試作した椅子
開発繊維で試作した椅子
生分解性ネットの設備状況
生分解性ネットの設備状況

担 当 繊維部 山本 孝 (やまもとたかし)
専 門 繊維高分子材料,生分解性樹脂,有機材料工学
一 言 生分解性樹脂市場も研究着手から約10年を経てやっと本格化。産業と環境の調和を目指します。


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