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コンクリート剥落防止用バサルト工法の開発

■青木織布株式会社 青木崇浩

■技術開発の背景
 石川県の道路は海岸線に近く,積雪地域という地理的条件から,コンクリート構造物が他の地域より劣化しやすい土地柄といえます。劣化したコンクリート表面が剥離・落下し,歩行者や車に当たると大きな災害になりかねません。そこで,そのようなコンクリート片の剥落を防止する繊維シートとその工法を工業試験場と県内の土木企業で共同開発しました。

■技術開発の内容
[1]バサルト繊維シートの開発
玄武岩を糸にしたバサルト繊維を使い,からみ織組織でメッシュ状の繊維シートを開発しました。

(図1 バサルト繊維シート)

[2]剥落防止性能試験
 押し抜き試験等をおこない,NEXCO(日本高速道路株式会社)の基準を満たす繊維シートと接着剤の組み合わせを検討しました。

(図2 剥落防止性能試験   (押し抜き試験) )

[3]施工試験
 石川県道路公社の協力を得て,施工場所を提供して頂き,施工試験をおこない,施工上の問題点とその解決をおこないました。

(図3 施工試験)

■製品の特徴
[1]バサルト繊維はもともと玄武岩という天然素材を使っています。また,炭素繊維を使用するよりもコストを低減することができます。
[2]メッシュ状の織組織と透明な接着剤を使うことで,施工後もコンクリートのひび割れの進行具合を確認することができます。
[3]織り方や糸使いを工夫することにより,コンクリート構造物のコーナー部の形状追従性が良好になっています。

■今後の展開
 特許や石川県土木部が行っている「石川県建設新技術認定・活用制度」に申請し,本工法の普及を図っていく予定です。