技術ふれあい '99 新製品開発事例発表要旨
電子操作盤「モニタッチ」の開発 |
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発紘電機株式会社 |
開発センター品質保証課 係長 川上孝裕 |
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■技術開発の背景
電気・電子機器について、欧州各国をはじめ世界的に電磁波ノイズ発生に対する規制が既成概念化してきており、特に欧州諸国へ輸出する場合にはCEマークが義務づけられている。弊社では、当初製品単体として欧州へ輸出する計画はなかったが、客先の仕様・条件として輸出する機械に使用する電子機器はCEマーク品であることが必須条件となってきたため、自社製品電子操作盤「モニタッチ」のEMC(電磁両立性)試験を行い、IEC規格値をクリアする、CEマーク製品の開発を実施することになった。
■技術開発の内容
「モニタッチ」GD80E、V4、V6各シリーズについて、石川県工業試験場と弊社において下記項目[1]、[2]のEMC(電磁両立性)試験を行って性能を評価し、修正個所については電磁ノイズ対策を実施して、発生する電磁ノイズの低減及び電磁妨害耐性の向上を図った。その結果、GD80E、V4シリーズについて各規格を取得できた。また、V6シリーズについても取得予定である。
対応規格 : EN50081-2/1994工業環境地域使用機器共通規格
[1]EMI(電磁妨害) 対応規格:EN55011 ClassA
放射電磁界強度(Radiated Emission:不要輻射ノイズ)
雑音端子電圧(Conducted Emission:線路電源端子妨害電圧)
[2]EMS(電磁妨害耐性)
IEC1000-4-2静電気、IEC1000-4-3放射電磁界、IEC1000-4-4EFTバースト、IEC1000-4-6伝導電磁界
■製品の特徴
(1)プログラマブルコントローラ(PLC)と接続して従来の操作盤の代替として開発された画面タッチ方式プログラマブル操作盤で、全メーカーのPLCをサポートし、各社通信リンクに対応している。
(2)表示サイズは、4.7 〜 12.1インチまで備えている。
(3)画面の切り換えにより、生産ラインの状況(異常監視・生産状況監視)モニターとして使用可能。
(4)パソコンとの通信によりパソコンによる生産ラインの制御・管理にも対応可能。
(5)使用者の構想デザインで表示を自由に設計変更し、スイッチ等配置もフレキシブルに選択可能。
(6)ビデオ、カメラ入力対応機種有り。
■今後の展開
現在までに、GD80E、V4のシリーズについて開発を完了し、現在V6シリーズについて進行中であるが、海外への輸出拡大にCEマーク及びUL(安全指令)認定は必須条件となる事や、日本国内においても近年中にJISが同等規格になると考えられ、新シリーズからの標準品対応を考えている。このため、開発段階からEMC対策だけでなく、LVD(低電圧指令)、UL規格対応を視野に入れコストアップを押さえた量産品を目指す。また、標準対応に伴い欧州諸国・米国・豪州へ直接輸出を目指す。
代表者名:代表取締役社長 村山捷司
住所:本社 〒920-0047 金沢市大豆田本町甲209-2
TEL 076-263-7655(代) FAX 076-223-2679
開発センター 〒924-0035 松任市上柏野町238
TEL 076-274-5100(代) FAX 076-274-5200