技術ふれあい '99 新製品開発事例発表要旨
エアジェット式コンポジットワインド装置の開発 |
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■技術開発の背景
国際的なコスト優位性を失なっている日本の繊維産業が生き残るためには、高付加価値品の開発・生産に活路を見いだし、かつ市場のニーズをタイムリーにつかいみ、いち早く対応できる生産体制(少量・多品種・短納期の生産体制)を構築することが重要となっている。合繊原糸メーカー各社が次々と品種の多様化を押し進めたり、合繊織物業界が独自の差別化商品の開発に力を注ぐのはこういった大きなうねりに沿ったものである。
しかしながら、メーカー主導の糸を購入し,これに従来の加工を行なうだけでは、差別化にも自ずと限界があり、真の差別化を追求するためには、準備工程段階での糸の設計、企画による糸作りも視野にいれる必要がある。
工業試験場でも、今般、県内繊維産業の企画提案型モノづくりの推進を支援する目的で「モノづくり試作開発支援センター」を整備することになり、本開発はその一環として、工業試験場の指導のもとで行なわれた。
■技術開発の内容
従来のエア加工機や合撚機は単機能専用機として位置付けられるのに対し、本開発では、次世代型の複合機能加工機を提案すべく以下の技術・機能を付与した。
(1)3フィード機構(3層構造糸擬きに対応)
(2)サーボモータによるフィード駆動(設定精度、再現性の向上)
(3)各錘独立制御の捲取スピンドル(撚数の設定も独立)
(4)捲取張力制御(バルーン張力検出)
(5)エア交絡加工(間欠噴射制御)
(6)各フィードゾーン、デリベリーゾーン(合糸ゾーン)に独立ヒータを設置
(7)ヒーター接触時間の制御(接糸のON/OFF制御)
(8)各種設定条件の入力は、コンピュータによる対話型(QR対応、DB化)
■製品の特徴
開発したエアジェット式コンポジットワインド装置は、物性の異なる糸を組み合わせるばかりでなく、糸そのものの物理的改質も可能なよう、エア交絡加工、ヒーター加工及び、撚掛加工を複合的に機能させ得るハイブリッドな加工機であり、オリジナルな糸作りが期待できる。
■今後の展開
現在、試験装置として開放されており、各企業の開発担当者にその有用性を確認して頂いている段階であり、今後の成果を期待したい。
代表者名:代表取締役社長 中越茂一
住所:〒920-0055 金沢市北町丁2番地
TEL 076-221-2191 FAX 076-221-3033