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2.1 シミュレーション方法
深さ方向(一次元)温度分布のシミュレーションを、Pascal言語で自作したプログラムを用いて行った。
シミュレーションに際して、次の(1)〜(5)を仮定した。
(1)吸収されたレーザ光は瞬時に熱に変換される。
(2)熱の拡散は一次元の熱伝導方程式に従う。
(3)融点に達した物体は一定の速度で蒸発する。
(4)表面からの熱の放射等による熱の出入りはない。
(5)銅酸化物は酸化第二銅(CuO)で、銅との界面は急峻に変化する。
最後の(5)の仮定に関しては、酸化第二銅と酸化第一銅の熱的な特性が大きくは変わらないことから、妥当な仮定と考えられる。(表1参照)
一次元の熱伝導方程式は、次式で表される。
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c:比熱(J/gK) ρ:密度(g/cm3) T:温度(K) I(z,t):深さzでのレーザ強度(W/cm2) z:座標(cm) κ:熱伝導率(J/[cm・s・K]) |
銅(Cu) | 酸化第二銅(CuO) | 酸化第一銅(Cu2O) | |
密度(g/cm3) | 8.9 | 6.76 | 6.0 |
比熱(J/gK) | 0.391 | 0.5326 | 0.5678 |
熱伝導率(gJ/[cm・s・K]) | 4.01 | 0.0322 | 0.0374 |
反射率(固相) | 0.26 | (0.2) | |
吸収係数(1/cm) | 7.9×105 | (2.0×105) | |
融点(℃) | 1085 | 1235 | 1244 |
融解熱(J/g) | 2567 | (1300) | |
気化熱(J/g) | 209 | 148 | 392 |