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 色模様認識のための新型カラートークの開発
 レハ・ヴィジョン株式会社 代表取締役  一二三吉勝*

■技術開発の背景
 視覚障害者向けに開発された携帯型色認識装置「カラートーク」は,販売から3年以上経過した現在も安定した受注を得ている。しかし,物体の一部分の色しか認識できないために,色が均一でない物の見分けや対象物全体の色を認識することに課題があった。例えば,図1に示すように,ラインが入った靴下やFAXなどの裏表などを見分けることが不得手であった。
 この課題を解決するために,効率的に対象物全体の色の様子を認識する技術の開発を行った。

(図1 カラートークの苦手なもの)

■技術開発の内容
 弊社と工業試験場では,図2のように音を鳴らしながら色を知らせることで色模様の認識が可能と考え,この技術を石川県と共同で特許出願申請し,開発を進めた。
 音を鳴らして色を知らせるためには,音から色をイメージしやすいように色と音の対応付けを検討する必要があった。色と音の対応付けとして,大きく「無限音階方式」,「三重奏方式」,「色相楽器音方式」の3通りの方式を考案し,視覚障害者に音から色を認識する実験に協力いただいた。
 その結果,色相楽器音方式で図3に示す5つの楽器と色の対応が最も色認識率が高く,音だけでも100%近い色認識率であった。

(図2 音で色の変化を認識する例)
(図3 色と楽器の対応)

■製品の特徴
 ・認識ボタンを押し続けると音が流れ,音で色を想像することができる。
 ・色が想像しにくいときは,再度,認識ボタンを押せば色名を聞くことができる。
 ・これまでの操作方法を大きく変えることなく,習熟度にあわせた操作ができる。

■今後の展開
 厚生労働省の日常生活用具の認定を視野に入れながら,カラートークは廉価版として継続販売し,新型カラートークは高機能版として販売する予定である。


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