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 車いすオプション品「ピッタリフット」の開発
 川端鉄工所 テクニカルエイド部 川端 正一*

■技術開発の背景
弊社テクニカルエイド部では、1999年以来、県工業試験場や県リハビリテーションセンターなどと連携し、福祉用具等による個人の生活支援に取り組みながら、主に要望の多い車いすオプション品を開発している(図1)。
今回、石川県産業創出支援機構の研究助成により、従来の車いすフットレストに様々な調整機能と工夫を施した「ピッタリフット」の開発を行ったので、その内容を紹介する。

(図1 ブレーキとヘッドレスト)

■技術開発の内容
生活支援の現場では、膝関節・足関節の拘縮や変形、可動域制限などによって通常のフットレストで対応できない場合、(図2)のように前後位置、前後左右の傾斜角度などを個人用に改造している。そこで、これまで行った改造例から、フットレストに必要な調整機能を整理し、(図3)に示す調整機能付きフットレストを製作した。
設計条件は、(1)前後位置の調整範囲5cm程度、(2)前後傾斜角および左右傾斜角の調整範囲±30度程度で、(3)後方跳ね上げ機構を取り付けることとした。

(図2 現状のフットレスト改造例)
(図3 調整機能付きフットレスト)

■製品の特徴
フットレストの取り付けパイプを二重構造にすることで、前後位置と左右傾斜角の調整を行い、クランプで固定できる。また、取り付けパイプ根元の角度調整機構によって、前後傾斜角の調整と後方跳ね上げを実現している。さらに、レッグパイプとフットレストの接続部に特別なカップリングを取り付けることで、アテトーゼや過緊張による大きな荷重に耐える。

■今後の展開
 本製品は、今秋開催される東京国際福祉機器展に出展し、ユーザーおよびメーカーの反応を調査する。



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