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■技術開発の背景 電気エネルギーと機械エネルギーを変換できる圧電セラミックスを利用したデバイスはすでに数多く実用化されています。用途拡大については、古くから提案されてきましたが実用化されていなかった分野は、競合する従来製品に対しコストメリットを出せなかっただけでなく、本来圧電セラミックスの特長をうまく利用できていなかったことにあります。しかし、ここにきて産業の高度化と多様なニーズに対し圧電本来の性質を利用した用途が現れています。それがμmオーダーの制御を可能にするアクチュエーター、シンプルな構造で電圧を変換するトランス、駆動源として利用した超音波モーターなどがあります。 これらはモバイルを意識した低電圧駆動が共通要求にあり、それには圧電セラミックスを薄くしなければならず積層技術が必須になります。弊社は積層技術を利用した圧電セラミックスデバイスを開発してきました。ここに、その開発品の事例を紹介します。 ■技術開発の内容 @圧電アクチュエーター 圧電材料は、電圧に対する変位の大きなものを使い、低電圧で駆動させるため圧電セラミックスの厚みは20μmから50μmで10層から20層にして全体の強度を補償します。動作は基本的にDC駆動ですが、目的とした変位パターンを組んだ信号波形でリニアに変位させます。制御は0.1μmレベルは、リニアに再現でき0.05μm/Vが実現できています。 また、バイモルフ型と呼ばれるたわみを利用した素子も開発しており、変位は1mm〜2mmまで可能です。 A圧電トランス 圧電材料は、エネルギー変換効率が高く機械的振動に対しロスのないものを使います。原理は、電気エネルギーを機械振動エネルギーに変換しさらに電気エネルギーに変換して電圧を上げます。弊社は、積層構造で5Wの圧電トランスを開発しました。 B圧電超音波モーター 圧電超音波モーターは、圧電素子を駆動源としてユニットを共振させ移動させるアクチュエーターです。材料は、共振状態で使用するため圧電トランスとほぼ同じ材料系を使用します。弊社は、積層構造で低電圧駆動可能なアクチュエーター素子を開発しました。 ■製品の特徴 @100V以下で0.1μmの位置だしをリニアに行うことができます。 また、バイモルフ構造では50V以下で2mm変位を可能にしました。 A発熱ΔT=25℃で5W出力可能にしました。 昇圧比は、任意に設計で変えることができますので、あらゆる冷陰極管に対応できます。 高効率を実現できます。 B積層技術、焼成技術、材料技術の更なる開発により低電圧駆動、高効率の超音波圧電モータ用 素子を実現しました。 ■今後の展開 実用化に向け、各社共同開発を行っており、低コスト、高性能の素子を開発していきます。また、低温焼成についても開発しており、コスト(電極材をAg系に)、性能(導体抵抗低下)の改善が期待できます。 |
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