全文 (PDFファイル:14KB、1ページ)


 磁性繊維を利用したセキュリティシステムの開発
  ウーブンナック株式会社 西 弘三*

■技術開発の背景
 国内外のデパートやショッピングセンターでは、高級衣料の盗難被害が多く報告されている。これらを防止するため、ICセンサを用いたセキュリティシステム等が考案されているが、形状が大きく、高価なため、実用化には至っていないのが現状である。そこで、本研究は、安価で小形のセンサを開発するため、衣料等のネーム(タグ)部分に、磁性繊維を一部用いて、これらをセンサ化することで、商品の盗難を防止するセキュリティシステムの開発を目的とした。

■技術開発の内容
 以下の項目について開発を行った。
(1) 糸の中心部に金属繊維、被覆部に合繊等を用いた磁化可能な繊維を用いて、織りネーム(タグ)に、この磁化繊維を用いることで、安価で小形のセンサを開発した。
(2) デパートのレジ等で、(1)で開発したタグセンサを磁化・消磁させるリード・ライト技術について検討及び評価を行った。
(3) デパートの客用出入口等で、商品がレジで正規の処理が行われたか否かを判断する検知技術について検討及び評価を行った。

■製品の特徴
 従来の盗難防止装置は、小売店でICセンサ等を取り付ける作業が必要であったが、本技術は縫製段階で取り付ける織りネーム自体にセンサが内蔵されているため、その手間暇がかからない利点がある。

■今後の展開
 検知精度や錆を防止するコーティング技術を向上することにより、衣類だけでなく高級靴や鞄類等への用途展開を行っていきたい。


* トップページ
* 技術ふれあい2001もくじ

概要のページに戻る