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■技術開発の背景 当社は,長年蓄積してきた地下埋設型の燃料タンクの製造ノウハウを活かし,平成8年には,鋼板を内外面FRPで覆ったFSF防火水槽を開発し,(財)日本消防設備安全センターの認定を受けた。その結果,公園や駐車場の地下防火水槽はコンクリート製から鋼構造製品の受注が増加した。しかし,主要製品である横置き円筒型タンクの構造計算は,国内外共に自動車荷重までを想定した簡便的なものしかなく,その計算方式が確立されていない。そのため,飛行場の地下等の過酷な条件下では,未だにコンクリート製品の設置のみである。そこで,石川県工業試験場の協力を得て,3次元CAD及びFEM解析プログラムを使用し,より過酷な荷重に対応できる鋼材とFRPを組み合わせた地下貯水タンクを開発した。 ■技術開発の内容 1.基本モデルの設計 当社40m3標準防火水槽より基本サイズを選出し,補強リングの位置・数・形状の検討を行った。 2.FEM解析評価 設計仕様の強度評価のため,FEM解析を実施した。 @解析モデル 鋼材部分のモデル化を行った。 A荷重条件 「空港排水施設・地下道・共同溝設計要領」に準じて19通りの条件で計算を行った。 3.強度試験 内外面FRPで覆った鋼板を曲げ試験機にかけてFRPの強度確認を行った。 ■製品の特徴 1.二次製品(工場内製作)であるため,工期が短く,高品質が得られる。 2.鋼材を用いているため,コンクリート製品に比べ軽量で搬送・据付が容易である。 3.内外面をFRP保護することにより,錆びに強い。 4.コンクリートに比べ破壊強度が高く,安全性が高い。 5.老朽化による水漏れの心配が無い。 ■今後の展開 1.重荷重に対応する水槽が必要とされている場所への施工実績づくりを行う。 2.設計開発において,3次元CAD及びFEM解析プログラムをマニュアル化して,特注タンクの設計効率の向上を図る。 3.上記を完了した後,鋼構造製品未設置領域への設計・製造・販売を推進する。 |
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