高温高圧プレスを用いた材料開発
〜HIP焼結装置を利用した機能性セラミックスの開発〜

 粉末材料を焼結させる従来のセラミックス製品は、気孔を含むために十分な性能が得られないことが多々ありました。HIP(熱間等方圧プレス)焼結装置は、アルゴンガスなどの圧力媒体を用いて、98 MPa(1000kgf/cm2)以上の圧力と1000℃以上の温度の相乗効果を利用して加圧処理する装置です。本装置は、材料を理論密度(99%以上)まで高密度化することが可能であり、機能性セラミックス材料の機械的特性や電気的特性の向上に大いに貢献します。
 工業試験場では平成15年度にHIP焼結装置を導入し、高密度化を図った新しいセラミックス材料の開発に利用しています。また、本装置はセラミックスの結晶制御や異種材料の接合にも応用可能であり、複合材料のモノづくりにもご利用いただけます。

■HIP焼結装置の特長■
(1) 最高2000℃で196 MPaの加圧処理が可能。
(2) 処理ガスとして不活性ガス(アルゴン、窒素)以外に酸素雰囲気ガス(アルゴン+20%酸素)も利用可能。(セラミックスの脱酸素防止に有効)
HIP焼結装置(左)と六方晶フェライトへ応用した緻密化の様子(右)


担当 化学食品部 豊田丈紫(とよだたけし)
専門 機能性セラミックス材料、構造物性
一言 新しい材料開発にHIP焼結装置を是非ご利用下さい。



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