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この装置は、回転する被検体に対して微小焦点型のマイクロフォーカスX線を照射し、透過したX線像をI.I.(イメージ・インテンシファイア)により可視光に変換して後続のCCDカメラから透視画像を入力します。このうちの注目箇所の画像データを各方向毎に収集して、逆投影法に基づく再構成演算処理によりCT画像を生成します。拡大透過による幾何倍率の高い透視画像やCT画像を出力することで、外観では観察できない被検体内部の欠陥の検出、内部構造の解析が高分解能で行えます。 近年の高性能X線CT装置では、効率的検査のため、多くの新技術が開発され、システムに組み込まれています。 まず、電子部品や実装プリント基板の内部構造を全体的に解析するためには、横断面画像(通常のCT画像)だけでなく、3次元画像が必要になります。この装置では、コーンビームCT(円錐状X線ビーム投影による多数断層撮影)機能により、1回のスキャンで1024枚のCT画像が得られるため、3次元画像データの構築が容易であり、3次元表示及び任意断面(縦、斜め)表示による被検体の3次元画像解析が可能になります。 次に、CTにおいて高分解能を維持するためには、回転中心位置の高精度検出が不可欠ですが、従来のように撮影毎に校正用ファントムを設置し別途スキャンしていては不都合です。これに対して、最新画像処理技術では、被検体の1回のスキャンで回転中心位置検出と同時にCT画像再構成演算が可能です。また、I.I.の幾何歪みやCTスキャン面の傾きなどに対しても、全自動で補正ができます。 この装置の主な用途としては、以下が考えられます。
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担当 | : | 電子情報部 漢野救泰(かんのすけやす) |
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専門 | : | 電子工学、画像処理、音声処理 |
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一言 | : | 新製品の開発・評価には最新技術の活用が効果的です。 |
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