令和3年度研究外部評価結果の概要

1 概要

  県民ニーズや産業界の高度化、多様化するニーズを踏まえ、かつ官民の役割分担の中から効果的・効率的な試験研究活動を行っていくことが重要となっている。これらを実現するため、研究課題の設定から研究成果に関し、適切な評価を実施する仕組みを整備することが必要である。
  石川県工業試験場では、石川県試験研究評価指針(平成16年3月26日策定)に基づいて作成した試験研究評価に関する実施要領に従って、研究開発事業の活性化と成果普及の促進および客観性の確保を目的に研究外部評価を実施した。
       
2 開催日 (研究テーマ数)
部 会 開 催 日 事前評価 中間評価事後評価
機械金属部会 令和3年10月13日(水)
電子情報部会 令和3年10月8日(金)
繊維生活部会 令和3年10月1日(金)
化学食品部会 令和3年10月14日(木)


3 評価方法

  事前に開催した研究内部評価委員会において、研究外部評価の対象テーマを決定した。そして専門的立場からの有益な評価を得るため、昨年と同様に研究テーマを機械金属、電子情報、繊維生活、化学食品の4分野に分類し、それぞれの分野別の評価委員会で外部評価を実施した。  各評価委員会では、研究テーマ毎に事前に委員に送付した研究評価調書と説明資料に基づいて、当日、研究テーマの主担当者がプレゼンテーションを行い、質疑応答により評価した。
  なお、採点方法は、研究テーマ毎に研究の必要性、計画の妥当性、目標の達成度、成果の発展性などの評価基準を設定し、各評価基準で5点法による評点を行ったあと、合計点を算出し、全委員による平均合計点を最終的な評価点とした。また総合評価については、最終評価点をA~Eの5段階(事前評価)、A~Dの4段階(中間評価)、A~Cの3段階(事後評価)に区切り、優劣を判定した。  さらに数値的評価以外に委員からの助言や意見はコメントとしてまとめた。
   
1) 5点法による評価
5:極めて優れている 4:優れている 3:普通 2:要改善1:劣っている

                         
2) 総合評価(各基準の5段階評価の合計点により判定)
事前評価
(20点満点)
A:優先実施(20~18点)     B:実施(17~14点)       C:改善後実施(13~10点)
D:必要性低(9~8点)      E:必要性無(7点以下)
中間評価
(20点満点)
A:優先継続(20~17点)     B:継続(16~12点)       C:改善後継続(11~8点)
D:中止(7点以下)
事後評価
(15点満点)
A:予想以上(15~11点)     B:目標達成(10~6点)     C:達成不十分(5点以下)


4 評価結果

 令和3年度は、事前評価5テーマ、中間評価1テーマ、事後評価6テーマを対象とした。
 事前評価の対象となった5テーマのうち、4テーマがB評価であり、実施することが適当であるとの判断であった。
 また、1テーマがC評価であり、計画を改善後に実施することが妥当であるとの判断であった。
 中間評価の対象となった1テーマはB評価であり、研究継続が認められた。
 事後評価の対象となった6テーマのうち、A評価は5テーマであり、予想以上の成果があったと判断された。
 また残りの1テーマはB評価であり、目標を達成できたとの判断であった。
 各研究テーマの外部評価結果の詳細については、個別表に記載した。また、各委員から得られたコメントは研究担当者にフィードバックし、それぞれのコメントへの対応を含めて再考する機会を与え、令和4年度の研究実施内容、並びに研究のフォローアップへ反映させることとする。


5 研究外部評価対象テーマ一覧

○事前評価
研 究 テ ー マ 評価点 評価
熱交換用ラティス構造の設計技術に関する研究 15.0
機器操作のIoT化技術の開発 14.0
天然由来材料を活用したFRP製造技術の開発 13.4
新規県産酵母を用いたオリジナル清酒の開発 15.8
陶磁器用途における能登珪藻土の活用研究 15.8

○中間評価
研 究 テ ー マ 評価点 評価
ブルーレーザを用いた銅の溶接・積層造形技術の開発 16.3

○事後評価
研 究 テ ー マ 評価点 評価
機械学習を用いた異常検知技術の実用化 12.5
放射イミュニティ試験の性能向上に関する研究 11.6
導電性繊維の加工技術に関する研究 11.8
3次元切削加工による機能性珪藻土製品の開発 11.2
金ナノ粒子を用いた色彩金箔の開発 10.8
食器洗浄機に対する耐久性試験に関する研究 11.6
6 研究外部評価委員名簿