平成22年度研究外部評価(事後評価)


整理番号 テ ー マ 名 評価点 総合評価
10−C4 微生物を用いた油汚染土壌の修復技術の開発  11.0
研究期間 平成20年度〜平成21年度(2ヵ年)
研究概要  A重油模擬汚染土壌を用い、工試分離微生物や市販微生物資材の浄化促進条件を検討した。また、A重油分解過程における菌叢解析を実施し、微生物種の増減を調査した。さらに、工試分離微生物の新規性・安全性を確認した後、油汚染現場にてフィールド試験を実施し有効性を検証した。工試分離微生物は土壌浄化微生物資材として県内企業に技術移転した。

外部評価委員のコメント

 ・ニーズの高い、社会性のある技術の開発だと思います。
 ・ぜひ、多くの企業に普及していただけたら良いと思います。
 ・目標にかかげた「浄化期間を2/3に短縮する」に対して比較する甲と乙の定義が不明確。研究の結果目標を達成したのか。(2/3に短縮したのか)不明確。
 ・油種、土着菌、処理用の外来菌の各々が変動パラメータであるから、マトリックス上で整理した上でモデル実験を行い、その差異を相対的に定量把握すれば良かったのではないか。
 ・すでに有用油分解微生物として分離されている菌を用いて実施された開発とはいえ、短期間の中に特許出願、学会発表を含め実用化までに漕ぎ着けた事は大いに評価できる。応用拡大を期待したい。
 ・ニーズがどの程度あるのか不明である。
 ・既存の物の2/3にすることにどういう価値があるのか不明(1/2や1/3に目標設定されなかったのはなぜか?)
 ・修復の完了がいかなる状態をもって言えるのか不明である。
 ・ニーズがどこにあるのかわかりづらい。
 ・菌の活性環境を調べた方がよい。
 ・土壌修復ニーズが年々増している中で、研究成果が得られた事は、当初の目標をほぼ達成したと思われる。特に工試分離微生物が有効であった事は新規性という点で良かったと思う。
 ・短期修復は報告の中で確認出来たが、低コストという目標達成についてはどうであったのだろうか。
 ・それと実用化という点でニーズが増している割にはやや遅いと思われる。
 ・汚染土壌の問題は近年多く聞かれるところであり、浄化費用、時間を少なく出来ること、操業しながら浄化が出来ることの有用性は大きいと思われる。安全性も問題なければ、すばらしいこと。
 ・測定結果をみても、目標が達成されたのか理解しにくい。
 ・今後もデータの集積が必要。
 ・油汚染土壌の修復に関して数種類の土壌浄化実験を行い、浄化に有効な条件を見つけ出した。また、分解速度が速まり安定的に浄化が進むことが認められた。
 ・目標を定量的にかかげているにもかかわらず報告が定性的であるので最終報告書できちんと記載できればよい。
 ・工試分離微生物を新しく開発し、油汚染に有効であること、浄化条件の最適化、さらにフィールド試験を行ってその浄化能の有効性を実証している。目標を達成したと評価でき、今後の利用も期待できる。
 ・ほぼ予定通り研究が進行しています。また、この成果の企業移転が行われている。
 ・条件によって、分解率が異なっているので、実用面での研究がもう少し必要でないでしょうか。