平成20年度研究外部評価(事後評価)


整理番号 テ ー マ 名 評価点 総合評価
08−C8 酸味に特徴を有する酵母の育種・開発  11.4
研究期間 平成17年度〜平成19年度(3ヵ年)
研究概要 清酒の酸味に特徴を出せる酵母の分離・選抜を目的に、清酒もろみ等からリンゴ酸生成能の高い酵母3株を選抜し、清酒の試醸を行った。その結果、リンゴ酸含有量が対照(協会9号酵母)の1.5〜2倍高い清酒を得た。
 また、酒米新品種の早期選抜方法の確立を目的に、総米100gによる少量発酵法の検討を行った。その結果、もろみ発酵初期の温度制御と上槽時期の条件決定により、ばらつきが抑制でき従来の仕込量(総米500g)に近い酒質のものが得られ、本手法の有効性を確認した。

外部評価委員のコメント

 ・少量発酵法による試験方法が有用であることがわかりました。
 ・県産オリジナルのお酒作りに生かされることを切望します。
 ・何故石川県独自の酒米でなければならないのか理由が不明。
 ・有用微生物の選択及びその特性利用に成功したことは評価できる。一般的にリンゴ酸等有機酸は調理効果も高い。ぜひ調理特性も検討し、新製品開発にも役立てて欲しい。
 ・ニーズはどこにあるか。
   ・調味料もある
   ・新しい分野のお酒
 ・飲んでみたいと思った。売れると思う。
 ・スキームをつくって販売を促進してほしい。
 ・小規模発酵試験の確立は、酒米新品種の開発や酵母の選抜の研究スピードを上げる上で役立ったと思われる。
 ・又、醸造協会が頒布しているリンゴ酸高生産性酵母は発酵力が弱いが、その点の改良もあり、実用化に向けて成果があったと思われる。
 ・石川県の酒として非常にオリジナリティが高い差別化商品として有望であろう。
 ・農工連携の成果に期待する。農工連携の成果に期待する。
 ・早く商品化をし、粘り強く各方向にアピールしブランド化を目指すべき。
 ・リンゴ酸量の多い酵母の開発に成功し、味の巾を拡大したこと、また、小規模試験方法を確立したことなど、優れた成果を挙げている。
 ・従来の日本酒と比べ酸度を上げた新酒の開発は、市場拡大の可能性を含んだ貴重なテーマと思われる。この研究では、酵母に重点を置いたもので成果
 ・使用される酵母は、使用米により、清酒の味が変わることは、清酒の多様性を考える場合はメリットになるが、実際に製造する場合にはデメリットになりかねないので、この当たりについての検討も必要ではないでしょうか。今後の発展が期待できる。