平成19年度研究外部評価(事後評価)


整理番号 テ ー マ 名 評価点 総合評価
07−C8 釉性状の改質の研究 11.9
研究期間 平成17年度〜平成18年度(2ヵ年)
研究概要 九谷焼窯元において、釉の不具合発生は生産性および収益の点から重要な課題である。そこで、釉の性状把握と性状を制御するための知見を得ることを目的に、釉に加える添加剤の効果と応用について検討した。さらに、釉に関する不具合発生の予測と迅速な対応を図り、釉薬の普及を行った。

外部評価委員のコメント

 ・上絵時の剥離、素地への貫入は致命傷となる九谷業界、特に素地製造の窯元にとって、今回の釉の研究は評価出来る。
 ・この研究を基礎とし、我々としてもいろいろ肉付けしていきたい。特に使用する粘土によって多少の違いが出てくるかもしれない、それらは各会社での対応によって解決出来ると思う。
 ・実用化を進めて欲しい。
 ・九谷焼の発展のため、がんばって下さい。
 ・釉の改質により、不具合の発生を押さえ、生産効率の向上に繋がり、又、更には曲げ張度や白色度の向上にも効果が得られた事は、業界にとっては大きな研究成果と思われる。今後の普及に期待したい。
 ・厳しい業界にあって、生産性向上につながる知見は重要である。
 ・九谷焼の低迷を打ち破る様なテーマであれば効果が更に期待できるが、そういう意味では、何か異なる具体例を示すべき。
 ・データを揃えて、科学的に結果評価が出せたのは実務に供せる研究結果だと思います。
 ・釉の不具合発生源を探及し、釉性状の改質研究を行うことにより、実用化試験まで到達した。
 ・今後、販売拡大に向けての活動を期待する。
 ・釉性状を向上させることを達成しており、優れた成果を挙げている。
 ・釉薬に珪石や酸化亜鉛を加えることにより、貫入、剥離に対する影響もなく、焼成温度を下げることが可能になったことは、九谷焼窯元の要望に答えていることから、この研究は高く評価できる。
 ・ここでは、釉薬への添加物を単独で加えて検討しているが、添加物の相乗効果なども考えられるので、この点の検討が望まれる。