平成18年度研究外部評価(中間評価)


整理番号 テ ー マ 名 評価点 総合評価
06−M1 高度表面処理による絞り金型への適用研究 11.9
研究期間 平成17年度〜平成19年度(3ヵ年)
研究概要 鉄系材料に対して最も有効とされるBN(ボロン・ナイトライド)を絞り金型へ高密着性で、かつ高硬度な膜をコーティングする技術を開発する。

外部評価委員のコメント

 ・企業要求は、絞り型寿命2倍は非常に興味のある所ではあるが、この発表からは、実用化実現には時間がかかりそうと判断しました。
 ・機械部品等に応用する場合の具体的な評価(推定)などがあるとわかりやすい。ぜひ成果をあげてほしい。
 ・技術数値目標を達成する為には、成膜条件の確立、BN微粒子の作製が必要条件であれば、現状の進捗に遅れがあると思われる。
 ・実施のピッチを上げる必要はないのか。
 ・実際の絞り加工での実績比較(寿命)がないので評価は難しい。
 ・製品(金型)として必要とされる目標からの数値展開を明確にしていって欲しい。
 ・高度な研究で評価方法を計画的に行う事を望みます。絞り金型として高性能化を目標とするならば元材(素地)の強度にもかなり影響しますので、確立して下さい。引き抜き金型やプレス金型への展開も希望します。
 ・金型の寿命と精度の維持のためのコーティング技術は重要である。研究計画および目標について、これまでの成果に基づき、実現可能の範囲を設定し、着実に成果をあげていただきたい。
 ・結晶構造の異なるBNで薄膜を形成し、これを多層構造とする技術の構築と、母材と薄膜との剥離強度向上を目指したハイブリッドBN膜の開発を目的としている。
 ・トリメチルボレートを原料としてアモルファスBNと結晶質BNの生成を確認しているが、物理的性質や優れている特性の検証に乏しく実用化は未知数のように感じられる。また、硬度の値もHV5000とあるが、どの温度環境での硬度かが不明であり、この結晶構造からこのような値が得られるのであれば、結晶学的問題だけではなく他のファクターが存在するのでは?
 ・とにかく今後薄膜本来がもつ特性を把握し、適切な用途の調査や検討が必要である。
 ・まず、硬質膜を作るという目標に設定しなおしてもよいのではないか。まだ膜を作る技術の開発の段階であり、できた膜の評価までできそうもないような気がする。
 ・この課題からすると金型の耐久性を何%上げるというような目標設定がされるべきであるが、そのような目標が設定されていない。