平成18年度研究外部評価(事後評価)


整理番号 テ ー マ 名 評価点 総合評価
06−C1 半導体レーザによる微細溶接システムの開発 11.5
研究期間 平成15年度〜平成17年度(3ヵ年)
研究概要 厚さ0.1mm以下の超薄板を対象とした半導体レーザ溶接技術開発を目標に、これまで試作した半導体レーザ微細溶接システムの同軸モニタリング部の高倍率化と送りテーブルの高速化および高精度化を図った。この装置を用いて実験を行った結果、厚さ0.1mmのNi基耐熱合金薄板のエッジ溶接を可能とした。さらに、圧力センサや溶接ベーロズ等を対象とした実証試験を実施し、その実用性を確認した。

外部評価委員のコメント

 ・半導体レーザを溶接に使い、20µmの薄板を安定的に従来の倍のスピードで溶接できる装置の開発は高く評価される。
 ・技術課題をクリアすれば、300〜500億円の市場の多くに応用できる可能性があるとのことで素晴らしい。
 ・同レベル微細溶接システムに比し、どの様な優利性があるのか、他のシステムとの違いをもっと表現されると良かったのではないでしょうか。
 ・公知の技術を利用した生産技術効率向上をねらった研究と理解した。
 ・同様な研究を実施している民間の研究所などとの比較や学会やマスコミでの発表後の反響などの報告がほしかった。
 ・ランニングコストの低減に課題
 1)実製品において実施されたいくつかをアーク溶接法製品と比較して、本研究でのコストはどうであったかが不明確。(全部の製品で1/5の製造コストなのか?)
 2)コスト比較の他、製品に対し、有効であった波及効果(技術要素含む)も明確にされたらどうか。
 ・他の方式の溶接システムとの数値比較が欲しい。
 ・実用化における課題(生産性、安定性、品質…)等について明確にして解決をしてください。
 ・従来技術(製品)との差を明確にして欲しい。
 ・応用化の見込みや企業化への展開など、かなりの効果が得られたと思います。
 ・半導体レーザでないと不可能な域、すなわち特性を生かした研究、用途開発も望まれます。
 ・機会が有れば対応お願いします。
 ・大気中での精密溶接技術は将来性もある。接合部の特性評価は困難が予想されるが重要課題といえる。更なる展開を期待します。
 ・0.1mm以下の厚みを持つ薄板の接合技術の構築と実製品への適用を目指したものであるが、板厚0.02mmの超薄板を300mm/sの高速でつき合わせ及び重ね溶接することに成功し、一方ではインコネルなどの耐熱合金の接合を可能としている。これら技術は各種機械部品への応用が可能であり、溶接技術拡大をするためへの貢献は大きいものである。
 ・半導体レーザを加工に実用化したことは高く評価したい。ただ、レーザの発展も早いので低コストというメリットはだんだんうすくなるような気がします。今後、半導体レーザの加工への応用はどんどん広がるように思いますので、その先駆けの成果を上げられたと思います。